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鳴き声使い分け、天敵からひな守る シジュウカラ

2011年1月11日15時1分

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写真巣から飛び出したシジュウカラのひな=鈴木俊貴さん提供

写真巣箱の前に置かれたカラスの剥製=鈴木俊貴さん提供

写真透明なケースに入れられたアオダイショウ=鈴木俊貴さん提供

 シジュウカラの親が、天敵のカラスとヘビに対する警戒の鳴き声を使い分け、聞いたひなは巣の奥へひっこんだり巣から飛び出したり、それぞれの天敵に応じた防衛行動をしていることがわかった。立教大学理学研究科の院生、鈴木俊貴さん(27)の研究で、11日、米専門誌カレントバイオロジー電子版に発表した。

 シジュウカラは、ふつう樹木にあいた穴(樹洞)に巣をつくる。鈴木さんは、軽井沢の森にかけた巣箱でのシジュウカラの観察から、ひなを狙いに来たハシブトガラスとヘビのアオダイショウに、親鳥が異なる警戒声を出すのに気付いた。

 そこで巣立ち間近のひながいる巣箱の前に、ハシブトガラスの剥製(はくせい)、透明ケースに入れたアオダイショウをそれぞれ置き、親や巣に7羽ほどいるひなの行動を調べた。

 カラスを置いた11個の巣では、親鳥が「チカチカ」といった鋭い声を発し、ひなは巣の底にひっこんでうずくまった。ヘビを置いた10個の巣では、親が「ジャジャ」というにごった声を出し、ひなは10〜数十秒で外へ飛び出した。

 カラスは巣の入り口からくちばしを突っ込んで、ひなをつまみ出すが、うずくまったのはくちばしが届かない場所だった。ヘビは巣内に入ってひなを丸のみにするため、巣から飛び出すしか助かる道はない。ひなはどちらの天敵に対しても、最適の防衛策をとっていると考えられた。

 鈴木さんは「警戒声は成鳥間の情報交換としては知られていたが、親鳥とひなでも複雑な情報を伝えることが初めてわかった。ひなは、反応を本能的に身につけているようだ」と説明する。

 指導教官である立教大の上田恵介教授は「シジュウカラは昔から研究されてきた鳥だが、こうしたことは見つかっていなかった。野外実験できれいな結果が出たので、私もびっくりした」と話している。(米山正寛)

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