【小林哲】東京電力福島第一原発事故を受け、地球温暖化対策を「ゼロベース」で見直している環境省と経済産業省の合同審議会が19日にあった。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス削減の数値目標を今秋にも示すことが求められているが、経産省や電力会社とゆかりの深い委員からは「原発の再稼働が見通せない状況では難しい」という意見が噴き出した。
安倍政権は「2020年に90年比で25%削減」という民主党政権時の国際公約の撤回を表明しており、11月にポーランドで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)で新目標を示す予定だ。だが、元経産省審議官の豊田正和・日本エネルギー経済研究所理事長は「幅をもった数値であろうと、国際的に約束するのは拙速だ。説明に窮するような目標はむしろ非生産的だ」と述べた。
電気事業連合会の井上祐一・環境専門委員長は「原発再稼働によって(CO2排出量は)億トンの単位で変わる。定量的な見直しは現実的には無理だ」、電力各社が拠出する電力中央研究所の杉山大志・上席研究員は「科学技術への投資を約束するなど、行動で示せばいい」と強調した。