パネル討論「SDGsで街の未来をつくる」|2018講演記録|朝日地球会議2018|朝日新聞

パネル討論
「SDGsで街の未来をつくる」
パネリスト つくば市長 五十嵐 立青
浜松市長 鈴木 康友
堺市長 竹山 修身
コーディネーター  朝日新聞SDGsプロジェクト担当専門記者 北郷 美由紀

五十嵐 立青さん

五十嵐 立青さん

街の課題解決に、SDGsを採り入れている3市のトップが、街づくりの新たな可能性について議論した。「誰も置き去りにしない」というSDGsの理念と市政の方向性が合致するとして、取り組みを強化していくことになった。

茨城県つくば市長の五十嵐立青(たつお)さんは、子どもの貧困への対応で、親への支援と市民参加とを組み合わせる考えを紹介。食材を地産地消するレストランを認定する制度を始めて雇用をつくり、売り上げの一部を新たにつくる学習支援などのための基金に回していくという。


鈴木 康友さん

鈴木 康友さん

浜松市長の鈴木康友さんは、日系ブラジル人を受け入れ、独自の教育支援もしてきた多文化共生政策を紹介。政令指定市の中で犯罪発生率が最も低いレベルにあることを挙げ、「共生社会が築かれていれば治安が乱れることはなく、多様性を都市の力にできる」と述べた。

堺市長の竹山修身(おさみ)さんは、高齢化が進む「泉北ニュータウン」の活性化を、SDGsに沿った例として挙げた。高齢者の買い物や外出を支援、空き家をリフォームして子育て世代を増やしている。大学医学部の移設を軸に健康や医療関係の事業所を誘致、水素ステーションも整備するという。


竹山 修身さん

竹山 修身さん

共通するのは、街の強みをいかすこと。堺市は中世の頃から続く「自由と自治の精神」による市民参加の推進。浜松市は国際認証を受けた材木の供給や、太陽光発電によるエネルギー自給。つくば市は研究学園都市としての科学技術の活用だ。

今後の課題について、鈴木さんは国と地方の財政の健全化問題、竹山さんは防災の重要性を語った。五十嵐さんは、SDGsを「これからの、やさしさのものさし」と言い換えながら、政策を進めていく考えを披露した。

コーディネーターから

会場風景

SDGsの成否は、都市での取り組みがカギを握るとされている。日本では内閣府が29の自治体を「SDGs未来都市」に認定。事例の積み上げと共有が期待されるなか、未来都市の3市のトップに壇上でその「実践」をお願いした。

SDGsに照らし合わせることで、課題と課題とを合わせて統合的に取り組みやすくなる。17分野の目標と169のターゲットから、施策を組み直す有効性は高く、自治体がSDGsを使わない手はない。

何よりも討論を通じて実感したのは、言葉と視点を引き出す対話の力だ。地域やコミュニティーで対話を始める。それが将来を見据えた街づくりにつながるはずだ。来場者それぞれが、持ち帰るものがあったと思う。(コーディネーター・北郷美由紀)

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