[掲載] JICA's World 2009年7月号
2011年04月25日
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首都・カトマンズ郊外に広がる農村部では、あちこちで柿の木を目にすることができる。20世紀初頭、日本に初めて留学したネパール人学生が種を持ち帰り、広まったそうだ。だが大半は渋柿で、供え物以外には特に用途もなく、捨てられていた。
そこで、JICAが支援するキルティプル園芸センターで、食品加工の技術などを指導していた青年海外協力隊が立ち上がった。農民とともに完成させたのは、まだ青い果実をよく砕き、絞った汁を発酵させて作る「柿渋」。柿渋は、防腐・防水・防虫などの効果がある日本古来の染料で、布や紙の塗料、漁網の防腐剤としても使われている。
この柿渋に注目したのが、フェアトレードを通じてネパールの生産者の経済的自立を支援しているフェアトレード団体ネパリ・バザーロ。柿渋を買い取り、洋服や日傘などを染めて製品化した。村人たちの現金収入にもつながるそれらの商品は、日光を浴びて深みを増す色合いが特徴で、日本でも人気を呼んでいる。
柿渋で染め重ねた手織り綿から作られた「柿渋リボンハット」もその一つ。リボンと水牛の骨のボタンがアクセントになっていて、ステッチの入った広いつばが、しっかりと日差しを防いでくれる。
かつて日本から伝わった柿の木と古くからの技術が、ネパールの農村で受け継がれ、こんな素敵な帽子になって帰ってきた。
問い合わせ先:verda(http://www.verda.bz/)
本コラムは、独立行政法人国際協力機構(JICA)の広報誌「JICA’s World」に掲載されたものです。記事内容は掲載時のものです。記事の無断転用を禁じます。