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(33)アオバズク 夜の幕開け告げる声

[掲載]2002年7月14日

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写真:アオバズクはフクロウ目フクロウ科。北海道より本州で観察する機会が多く、民家の近くにも営巣するという=網走支庁置戸町で拡大アオバズクはフクロウ目フクロウ科。北海道より本州で観察する機会が多く、民家の近くにも営巣するという=網走支庁置戸町で

 夕闇広がる湖畔にアオバズクの鳴き声が聞こえてきた。ほてりの冷めた空気を小さく震わせて、「ポォー、ッポォー」と2音ずつ。夜の世界の幕開けを告げている。

 声の主はハトくらいの大きさだ。外灯のすぐ近くまでやって来た。まん丸の黒い瞳が見つめている。青葉美しい季節に東南アジアなど南の国から渡って来るという。

 アオバズクの狩りが始まった。外灯の光にたくさんの蛾(が)や甲虫が集まり、それを狙ってひらひらと飛ぶ。鋭く細い爪(つめ)はクワガタやコウモリもつかみ捕る。

 気がつけば、山の稜線(りょうせん)は闇に溶け込んでいた。耳を澄ますと、悲しい口笛。トラツグミの声だ。沢の奥からはコノハズクの歌が電子音のようにリズムを刻む。体が小さな分だけ甲高い。遠く、近く……。声の強弱が森をめぐる。

 キャンプの夜の「バードリスニング」。夜更けまでテントの中で聞いた鳥たちの声が耳の底に残っている。

石毛良明(いしげ・よしあき)

 朝日新聞むつ支局長。現在、青森県版で「下北半島 野生博物館」を連載中。
 神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学卒業後、1981年に朝日新聞社に入社。山形総局、静岡総局、東京本社を経て北海道に勤務。02年から、北海道版で「北海道 野生博物館」を連載した。「野生生物をカメラに収めるには、撮る技術より、出会えるかどうかが決め手になります」。52歳。著書に「ザバーン」(中西出版)。

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