現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 環境
  3. コラム
  4. 野生を撮る
  5. 記事

(72)ヤマネ 小さな「最古参」哺乳類

2011年11月29日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:1属1種の天然記念物で、下北半島が北限。背中には黒い帯模様が入り、細く長いひげも特徴的。花や果実、昆虫などを食べる=青森県むつ市拡大1属1種の天然記念物で、下北半島が北限。背中には黒い帯模様が入り、細く長いひげも特徴的。花や果実、昆虫などを食べる=青森県むつ市

 ビーズのような目。ふさふさで平らな尻尾が小枝と共に揺れている。誰もが寝静まった恐山山地の夜。

 手のひらに載るくらいの大きさなのに、ヤマネはどこかマイペース。じっと見つめていたかと思うと、スイッチが入ったように動き始めた。

 左右に張り出した小さな手足をフル回転。ブナの幹をはうように走る。細い枝は逆さになって移動し、縦横無尽の身軽さで弾けるようにジャンプした。

 こんな元気者も一年の半分は鞠(まり)のようになって動かない。エネルギーの消耗を抑えて冬眠するのだ。日本の哺乳類の「最古参」ともいわれ、氷河期を丸くなって生き抜いたのだろうか。夏の活動期でも眠る時は体温を下げ、心拍や呼吸数を減らすという省エネぶりだ。

 「のんびり」「ねぼすけ」「マイペース」と言われても、それが彼らのライフスタイル。小さな体に生命維持のメカニズムも秘めて、ちょっと不思議な動物が北の夜に生きている。(おわり)

(2011年11月11日付朝日新聞・青森版に掲載されたものです。今後も朝日新聞青森版では「下北半島野生博物館」として、不定期で掲載される予定です)

石毛良明(いしげ・よしあき)

 朝日新聞むつ支局長。現在、青森県版で「下北半島 野生博物館」を連載中。
 神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学卒業後、1981年に朝日新聞社に入社。山形総局、静岡総局、東京本社を経て北海道に勤務。02年から、北海道版で「北海道 野生博物館」を連載した。「野生生物をカメラに収めるには、撮る技術より、出会えるかどうかが決め手になります」。52歳。著書に「ザバーン」(中西出版)。

検索フォーム

おすすめリンク

香川県で養豚場を営み、まるで家族のように1200頭のブタと暮らすおっちゃん。その日常を切り取った、ほのぼのとあたたかい写真集。

沖縄密約をめぐる国の嘘によって人生を断たれた元新聞記者・西山太吉の妻と、国の嘘を暴くための戦いに挑んだ女性弁護士、2人の女性を描いたノンフィクション

パンダプリントのWWFジャパン公式トイレットペーパー。売り上げの一部が活動資金に


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
環境ガジェット