マツダRX−8 ハイドロジェンRE
クリーンなエネルギーとして「水素」に注目が集まっているが、水素をエネルギー源とするエコカーには2つの種類がある。水素を使って発電し、モーターを回すタイプ(燃料電池車)と、水素を直接エンジンで燃焼させるタイプ(水素自動車)だ。このモデルは後者に属し、さらに燃料として水素とガソリンのどちらも使えるようにした「デュアル燃料システム」が特徴だ。
大がかりな開発が必要な燃料電池車に比べ、既存のエンジンを活用できる水素自動車は、開発コストの点で有利とされる。このモデルも例外ではなく、搭載する水素ロータリーエンジンは、ベースとなるRX−8と多くの部品・生産設備を共有する。「コストを比較的安く抑えられる。水素供給のインフラが整っていない現状をみると、ガソリンとの併用も現実的な選択」という。
燃料の切り替えは、イグニッションキーのわきにある小さなボタン。2秒ほど押すと、インパネに「H2」のランプがつき、エンジン音がわずかに低くなる。とはいえ、「無音」に近い電気自動車などに比べれば、まさに車のエンジン音そのものだ。
ガソリンモードでは210psの大馬力。アクセルを踏んだ印象はまさしくスポーツカーの力強さで、当然ながらRX−8そのものだ。水素モードでも109psを発揮し、走り出しの印象はそれほど変わらなかった。モーターではなくエンジンなんだな、と思わせる走りだ。水素モードでも、街中での走行にパワー不足を感じることはないだろう。
水素モードでの航続距離は100キロ(ガソリンは549キロ)と短い。水素切れの時はガソリンモードで走行すればよいのだが、このクルマ、ガソリンで走るとただのRX−8。エコカーの対極にあるようなクルマになってしまうのが微妙なところかもしれない。
【スペック】全長×全幅×全高:4435×1770×1340mm、定員:4人、エンジン:水素ロータリー(水素/ガソリンのデュアル燃料システム)、最高出力:80kW(109ps)=水素/154kW(210ps)=ガソリン、最大トルク:140Nm(14.3kgm)=水素/222Nm(22.6kgm)=ガソリン、トランスミッション:4速AT