メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

06月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

いきもの朗読劇
朗読版「有明をわたる翼」 出演者:野﨑 美子、渡辺 英雄、田中 俊太郎、芳賀 一之
プロデューサー:飯島 明子

野﨑 美子
朗読・演出/女優・演出家


渡辺 英雄
朗読/声優・俳優

かつて多様な生物を育んでいた長崎県の諫早湾を舞台に、干拓事業をめぐる環境の変化や人々の葛藤を描く朗読劇「有明をわたる翼」の上演もあった。

シオマネキやムツゴロウなどの生き物、生活のために海を捨てた漁師、科学者などになりきる、2人の語り手。抑揚をきかせ、時に情感を込めるなどして住民の葛藤する心情を表した。

ものがたりは、かつて約3千ヘクタールの干潟が広がっていたころから始まる。シオマネキやムツゴロウが求婚をするなど楽しげな会話が続くが、1997年4月の場面から劇は暗転する。「ギロチン」と呼ばれる鋼板で、湾が閉鎖されたときだ。乾いた干潟に残され、死の危機に直面したムツゴロウやシオマネキ、貝やゴカイが「苦しい」「海神(わたつみ)の神様、お助けを」と悲鳴をあげる。沿岸のある漁師町では開門の是非をめぐって町は真っ二つに割れ、そのはざまで恋人たちは悩む。漁師は家族のために漁をあきらめ、苦悩する。

劇をプロデュースした神田外語大の飯島明子准教授は「人間以外の生き物の言いぶんにも、耳を傾けてほしい。有明海で起きている異変に目を向け、自然について考えるきっかけにしてほしい」と、ねらいを話す。

飯島さんは海底の生物を専門に研究する海洋生物学者でもある。2013年1月、都内で諫早湾干拓を考えるシンポジウムを開いたが関心は薄く、「劇なら興味を持ってもらえるのでは」と思いついた。「憲法劇」を20年近くつくっていた開門訴訟弁護団事務局長の堀良一弁護士に頼み、演劇の脚本ができあがった。この年の12月に演劇を初演し、その後つくった朗読劇の公演は昨年10月に続いて2度目。今後も続ける予定だ。


田中 俊太郎
歌/バリトン歌手

芳賀 一之
ピアノ・パーカッション/作曲家・演奏家