メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

06月21日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

パネル討論
「地域エネルギーが人を変える、社会を変える」パネリスト:トゥリ・ムンプニ、鈴木 悌介、半谷 栄寿
コーディネーター:高橋 万見子

トゥリ・ムンプニ
インドネシアNGO「IBEKA」代表

水や太陽の光などの自然エネルギーを有効に使えば、地域をもり立て、人を育てることにもつながるのでは。そんな視点から考えるセッションもあった。

インドネシアのNGO「IBEKA」のトゥリ・ムンプニ代表は、電気が通じていない過疎地での小規模の水力発電づくりに力を注ぐ。発電施設の保守・管理なども住民に任せる。香水の原料となる植物の加工に電力を活用して、品質がよくなる効果もあったという。「電力は経済発展の基礎になる。地域の人に情熱を持ってもらうことが大切だ」と指摘した。

鈴廣(すずひろ)かまぼこグループの鈴木悌介副社長は、神奈川県にある新社屋で、井戸水や太陽光を活用してエネルギー効率の改善を実現。太陽光や風力など、県内でつくった電力を買い取って売る「湘南電力」から、自社で使う全電力を買っている。「足元にあるエネルギーに目を向けることで、可能性が広がる」と話した。福島県南相馬市で、水の力と自分の腕の力とを比べたりする体験学習を手がける半谷(はんがい)栄寿氏は「自然エネルギーの利点、使い方を学び、実績を積んでいけるリーダーを育成したい」と語った。


鈴木 悌介
鈴廣かまぼこグループ
代表取締役副社長
エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 代表理事

半谷 栄寿
福島復興ソーラー・アグリ
体験交流の会 代表理事


<コーディネーターから> 身近な資源の利用、工夫や努力生む 

高橋 万見子
朝日新聞論説委員

再生可能エネルギーは、大規模な国家的プロジェクトと考えられがちだった電源開発を、身近な資源を生かす分散型の地域開発へと変質させた。インドネシアでは、いまだ電化に至らない農村や遠隔地の活力源となり、日本では原発事故を機に新しい地域経済を模索するうえでの起爆剤になりつつある。自分たちでつくり、自分たちで使う。地域単位での循環が、だれかに依存するのではない「我がこと」としてのエネルギー社会の再構築へとつながる。

課題は山積みだ。だが「自分たちのもの」という意識が工夫や努力へとつながり、無責任な開発や乱用を抑える。雇用やお金の使い方を生む。福島では、復興や未来をにらんだ人材の育成へとつながる。地産地消の真の意義は、その広がりにある。(論説委員・高橋万見子)