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06月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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パネル討論
「ホリエモンの『気候変動はビジネスチャンスだ!』」パネリスト:堀江 貴文、ナディーム・シェーク、太田 直樹
コーディネーター:杉山 昌広

気候変動の問題解決に向けた技術開発は、ビジネスチャンスかもしれない。米国では、「クリーンテック」と呼ばれる環境関連技術への投資も盛んだ。ただ、事業を続けていくのには、資金がいる。日本でも、広がるのだろうか。

日米のベンチャーにかかわる3人が登場したセッションでは、最初に、米オーパワーのナディーム・シェーク副社長が、ボルティモア市で取り組む節電事業を紹介。電気を最も使う時間帯と節電方法を消費者にメールで伝えることで、使用量は市全体で5%減らせ、電気代も大きく減らしていけるという。「データ分析に基づいた提案で人々の電力消費を変えられた」と語った。

おなじ米国に本拠を置く24Mテクノロジーの太田直樹最高技術責任者は「日本の大学ベンチャーも教授が運営を任せ、研究に特化できるようにした方が良い」と話す。24Mでは、設立者のマサチューセッツ工科大学の教授は蓄電池の研究に専念し、運営は経営陣が行う体制にして、研究環境を整えているという。

日本からは、元ライブドア社長の堀江貴文氏が参加した。ベンチャーなどへの投資も手がけるSNSを創業した。日本でも消費電力が低いレーザーなど、際立つ技術開発が進んでいることを紹介し、米国などと比べて投資が慎重だと指摘した。「勇気があってどかんとお金を出せる投資家と、それに応える経営陣。双方とも、これだと思った技術で一発当てる覚悟がないとイノベーションはおきない」と強調した。


ナディーム・シェーク
オーパワー社
インターナショナル担当上級副社長

太田 直樹
24M テクノロジー チーフテクノロジーオフィサー

堀江 貴文
SNS株式会社 ファウンダー


<コーディネーターから> 成功への道のり、気の抜けぬ競争

杉山 昌広
東京大学政策ビジョン研究センター
講師

日本でもクリーンテックの技術の種はたくさんあり、優秀な人材にも困らない。それでも欧米に比べて日本での投資は少なく、グローバルな成功例もほとんどない。成功するためにはその数を稼ぎ、規模で勝負することも重要だ。米マサチューセッツ工科大(MIT)では、蓄電池の研究をしている教授5人の全員が何らかの形でベンチャーにかかわっているという。ざっと数えても、数十億円の資金調達をしている蓄電池ベンチャーが米国には10社以上ある。

クリーンテックのイノベーションは、気候弱者や将来世代に、多くの便益をもたらす。でも、イノベーションやビジネスの競争には必ず敗者が出る。日本も、うかうかしていられないかもしれない。(東京大学政策ビジョン研究センター講師・杉山昌広)