現在位置:
  1. asahi.com
  2. 環境
  3. 国内(自然・生態系)
  4. 記事
2011年10月13日11時0分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

サツキ波乱の半生、最後の恋? 天王寺のオランウータン

【動画】おばあちゃんオランウータン出産へ「ラストチャンス」/大阪・天王寺動物園

写真:国内最高齢出産の期待がかかるサツキ=大阪市天王寺区の天王寺動物園拡大国内最高齢出産の期待がかかるサツキ=大阪市天王寺区の天王寺動物園

写真:高齢のサツキに惚れた同世代のミミ=大阪市天王寺区の天王寺動物園拡大高齢のサツキに惚れた同世代のミミ=大阪市天王寺区の天王寺動物園

 大阪・天王寺動物園のオランウータン、サツキ(推定41歳)に国内最高齢出産の期待が高まっている。もうおばあちゃんだが、ただいま恋愛中。いろんな事情があって国内の繁殖は難しくなっており、園の関係者は愛の成り行きを注視している。

 サツキとオスのミミ(推定42歳)の飼育舎は隣り合っている。「オリ越しに見つめ合っていることもあります」と、飼育員の上野将志(まさし)さん(36)。

 メスとオスを一緒にすると、オスが始終メスに交尾を迫り、そのしつこさが裏目に出て破談となることが多い。そこで園はサツキの排卵予定日に合わせ、毎月1週間だけ同居させている。9月には交尾が確認された。

 オランウータンの寿命は50歳前後とされる。メスは10代から出産できる体となるが、40代で閉経する。天王寺動物園によると、日本では昨年末までに84の繁殖例があり、これまでの最高齢出産は2005年の愛知・豊橋総合動植物公園の40歳。サツキが出産すれば記録更新となる。

 期待が高まるサツキの「人生」は波瀾万丈(はらんばんじょう)だ。1972年、見せ物にされていたスーパーで保護された。「母親は密猟で殺され、生後まもないサツキだけ売られたのでは」とは、上野さんの見たてだ。

 84〜87年にかけて3頭の子宝に恵まれた。だが、孤児で母親を知らないせいか子育てのノウハウがなく、育ったのは86年誕生のオスのサブだけ。それも母子分離の人工飼育だった。

 やがて繁殖の期待は青年になったサブに移った。しかし、人の手で育てられたサブは自分を人間と思い込んだらしく、相方のモモコに関心を示さなかった。人工授精も失敗した。

 サブは07年に21歳で、モモコは今年7月、24歳で死亡。園内には高齢のサツキとミミだけが残った。

 ミミは豊橋と神戸市立王子動物園で4回繁殖に成功した実績を持つ。期待のオスとして09年、天王寺に迎えられた。ところが相方候補の若いモモコよりも、同世代のサツキに惚(ほ)れた。

 サツキは09年にすぐ妊娠したものの、流産。その後は生理不順になり、「ついに閉経か」と周囲があきらめかけた今春、再び月経が始まった。

 「たぶん最後のチャンス」と上野さん。おめでたとなれば、サツキを愛情あふれる母親にすべく、全力サポートすることにしている。(千葉雄高)

検索フォーム



朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
環境ガジェット