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2012年2月8日15時57分
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城の石垣、木の根で崩落 各地で膨らみ押し出す被害

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写真:国史跡・小峰城跡の竹之丸の石垣。東日本大震災で崩落した=福島県白河市教委提供拡大国史跡・小峰城跡の竹之丸の石垣。東日本大震災で崩落した=福島県白河市教委提供

写真:国史跡・小峰城跡の竹之丸の石垣。崩落前の姿=福島県白河市教委提供拡大国史跡・小峰城跡の竹之丸の石垣。崩落前の姿=福島県白河市教委提供

写真:国史跡・小峰城跡の本丸の石垣。東日本大震災で崩落した=福島県白河市教委提供拡大国史跡・小峰城跡の本丸の石垣。東日本大震災で崩落した=福島県白河市教委提供

写真:国史跡・小峰城跡の本丸の石垣。崩落前の姿=福島県白河市教委提供拡大国史跡・小峰城跡の本丸の石垣。崩落前の姿=福島県白河市教委提供

写真:「孕み」を起こした高松城の石垣。このあと03年の台風で崩れた=高松市教委提供拡大「孕み」を起こした高松城の石垣。このあと03年の台風で崩れた=高松市教委提供

 お城の石垣が、全国各地で崩落の危機に直面している。原因は、樹木の根が石垣の内側に張り出し、妊婦のおなかのように膨らむ「孕(はら)み」と呼ばれる現象。桜の名所や緑豊かな公園として、市民に親しまれている史跡が多く、伐採は容易ではない。

■桜の名所 圧迫悲鳴

 高松市で1月19、20日、文化庁などが主催した全国の石垣整備に関する研究会があった。福島県白河市教委の担当者が、国史跡の小峰城跡について東日本大震災の影響を報告。石垣10カ所が地震で計約160メートルにわたって崩落したという。

 そのうち3カ所で、石垣付近に植えられた桜とケヤキの影響が疑われた。特に、桜の木は石垣の一番上の石から60センチほどの所に植えられており、「震災前から根っこに押されて危ない状態だった」(同市教委文化財課)。

 孕みによる被害は過去にも例がある。国史跡の高松城跡では2003年、石垣の上に生えていた松の木が台風の強風で倒れ、石垣も一緒に崩れた。

 孕みとは、桜などの樹木の根が張るにつれて内側から石垣を押し出し、外側に弧を描くように膨らませてゆくメカニズム。石垣の奥行きが深く、孕みを起こしにくい大阪城のような城もあるが、文化庁記念物課の本中真・主任文化財調査官は「全国各地の城が共通に抱え始めた問題」とみる。

 朝日新聞社がいずれも国宝の姫路城、彦根城、犬山城、松本城を管理する教育委員会に聞いたところ、同様の現象が起きていた。近世城郭約100カ所の石垣を調査した西田一彦・関西大名誉教授(地盤工学)によると、外側に膨らんだ幅を石垣の高さで割った「孕み出し指数」が6〜7%を超えると、崩落の危険性が高くなるという。

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