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2011年10月12日11時51分
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原子力村が招いた原発事故 企業展示会で河野議員が講演

写真:河野太郎議員:電機会社主催のフォーラムで基調講演に立った河野太郎議員拡大電機会社主催のフォーラムで基調講演に立った河野太郎議員

写真:河野太郎議員:政府が提唱してきた「核燃料サイクルがもたらすバラ色の未来」のつまずきをひとつひとつ説明する河野議員=東京・芝のザ・プリンスパークタワー東京拡大政府が提唱してきた「核燃料サイクルがもたらすバラ色の未来」のつまずきをひとつひとつ説明する河野議員=東京・芝のザ・プリンスパークタワー東京

写真:河野氏のスライド:河野氏が示した「原子力村」の図式拡大河野氏が示した「原子力村」の図式

 「問題があると知りながら、政党も学会も官僚も産業界もマスコミも電力利権を守ってきた。この『原子力村』体質が、想定外という名目で福島第一原発事故を起こした」。核燃料サイクルを中心とするエネルギー政策批判の急先鋒として知られる自民党の河野太郎衆院議員が11日、都内で行われた電機メーカー展示会の基調講演に招かれ、これまでの原子力政策の問題点と脱原発に向けたロードマップなどを語った。(アサヒ・コム編集部 戸田拓)

 無停電電源装置などを扱うシュナイダーエレクトリック(今月1日にエーピーシー・ジャパンから社名を変更)が、先進的エネルギー管理を行う次世代型データセンターを提案するため開いた催しで、河野氏は「今後の日本のエネルギー政策」と題して講演した。

●「核燃料サイクル」の破綻

 ウランを最大限活用するため、軽水炉で利用した後の使用済み燃料から再処理で取り出したプルトニウムをさらに高速増殖炉に投入、プルトニウムを増やしながら発電することで、長期にわたるエネルギー自給を可能にするとされた核燃料サイクル。だが河野氏は、「バラ色の未来」を約束するはずだった核燃料サイクルのひとつひとつが行き詰まっている、と指摘する。

 河野氏は言う。高速増殖炉の実用化は、当初計画の1980年代後半から次々と先延ばしにされ今では2050年が目標に。プルトニウムの増殖量も理論値とは異なり、「今の日本の金利ぐらい」という大学の研究者も。安全になるまで10万年かかるとも言われる再処理後の高レベル放射性廃棄物の埋設先の見通しも立たない。再処理工場が稼働しない中、使用済み核燃料プールの容量も不足し、ウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料を燃やすプルサーマル計画は、ウランを1割程度節約する効果しかない……。「これらは、福島の事故が起きなくともどうにかしなければならない問題だった」と河野氏は批判する。

●電力業界の改革求める

 原子力発電所について河野氏は「新設はせずに2050年ごろまでにフェードアウトしていく。明日止めろ、再稼働させるな、という意見もあるが、安定的な電力供給のためには時間が必要。急ぐと化石燃料への依存が高まる」といい、性急な脱原発論とは一線を画した。その上で、2050年までに電気製品の改善や発電時に排出される熱も利用するコージェネレーション活用などで電力消費を4割削減し、並行して地熱などの再生可能エネルギー開発を進める方策を示した。

 河野氏は電力会社の地域独占をやめて発送電を分離することにも言及。夏の午後のピーク時には料金を上げるなど、電力価格に市場メカニズムを機能させるよう求め、同時にコストの高い原子力発電所を建設すること自体が電力会社の利益増につながるとして、電気料金の現行の「総括原価」方式を厳しく批判した。

 「原発を止めたら電気代が上がって日本の産業が空洞化する」とする意見に対しては「全製造業の製造原価に占める電気代は1.4%」との数字を挙げて反論。「3月11日以降、ようやく日本のエネルギー政策をどうするかきちんと議論できるようになった。過去のエネルギー政策の責任を負っている自民党も、見直しのため白紙から議論を始めた。利権と切り離された、国民のためになるエネルギー政策を作っていきたい」と今後の抱負を述べていた。

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