メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

08月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

(どうする?)PTA改革 札苗小の取り組み

図:札苗小PTAの「原点から考えなおすPTA検討委員会」アンケートから拡大札苗小PTAの「原点から考えなおすPTA検討委員会」アンケートから

 【堀内京子】札幌市立札苗(さつなえ)小学校のPTAが、活動を支えてきたすべての委員会を廃止し、自由に入退会できる組織に変わることになった。議論に1年余りをかけ、その過程をホームページで公開するなど、全国でも珍しい取り組みを追った。

■活動ごとに参加者募集へ

 2月7日。猛吹雪の中、札苗小の教室でPTAの臨時総会が開かれた。集まったのは、保護者や教員44人。会員390家庭のうち、252家庭が総会の決定に一任する委任状を提出しており、定足数を満たした。

 (1)規約に「保護者あるいは教師は、自分の意思にていつでも自由に退会できる」と盛り込む(2)役員会を残して、交通安全の見守りや広報誌作りなどをしてきた五つの専門委員会はすべて廃止する――など、役員会が提案したすべての議案を賛成多数で承認して、総会は終了した。

 最も活発に質疑が行われたのは、五つの専門委をなくす議案だ。

 委員の選出は例年難航。会員対象のアンケートでは9割以上が「委員にはなりたくないが、できる範囲でのお手伝いなら引き受けてもよい」と答えていた。これを受け、4月からは活動ごとにボランティアを募る形にした。

 例えば交通安全の見守りや花壇の整備は、保護者や地域の人にボランティアでの参加を呼びかける。広報誌の配布をやめ、活動はホームページ上で紹介する。

 こうした仕事を担ってきた専門委がなくなると、役員会の仕事は増えるため、登録制の「役員サポーター」を募る。クラスごとの人数割り当てや参加の義務はなく、都合のつくときに手伝ってもらう。

 総会では、「皆が平等に負担すると思うからこそ頑張れた部分もある。6年間、何もしない人がいてもいいのか」という質問に、上田隆樹PTA会長(48)が「一人親や介護をしている人など、事情はそれぞれ違う。東日本大震災で義援金を送るように、会費を払うだけでもPTA活動を支援することになる」と答える場面もあった。

 会場では「PTAの仕事は、やるのが当たり前。改革の必要性がまだ分からない」(30歳の保護者)という声も聞かれた。一方、地元テレビ局の番組で特集され、他校のPTA会長から問い合わせが相次ぐなど、地元での関心は高まった。

 上田会長は「入退会を自由にすれば、みんなが納得して参加できると考えていたが、そう簡単ではなかった。全員参加を前提にした組織そのものの改革が必要だった。役員サポーターが集まるか、行事をうまく進められるかなど不安材料もある。4月からが本当のスタートだ」と話している。

■議論1年、アンケートも

 札苗小PTAは、どのようなプロセスを経て改革を実現したのか。22カ月の道のりを振り返った。

 2011年4月 新会長が就任 シングルファーザーの上田さんが、保育園や小学校での役員経験を買われてPTAの会長に。予算や行事が、前例踏襲のまま決められていることに疑問を持つ。

 11年7月 会長が「PTAは入退会自由」の原則を知る 会長がネットなどで情報収集をするうち、PTAは原則、入退会の自由な任意団体だと知る。「子どもが減っているのに、今までと同じ役員数で同じ量の行事をこなすのは難しい。活動のスリム化が必要」とも考え始める。

 11年10月 「入退会自由」の原則を会員に周知したいと、会長が当時の校長に相談、快諾を得る

 11年11月 会長が役員会で「入退会自由」の周知を提案 提案に、役員も事務局担当の教員も猛反対。「知らせたら会員も予算も減る」「今でも役員のなり手がいないのに、無理」との意見が相次いだが、2カ月間で4回の役員会を開き、議論するうちに賛同者が増える。

 12年1月 年度内の規約変更を断念 会長は、臨時総会を開いて規約を変更、入退会自由をうたおうと考えたが、役員らから「もっと議論の時間を作った方がいい」と声が上がる。様々な人を巻き込んだ話し合いをするため、1年間を議論にあてることにし、役員会で承認される。

 12年2月 ホームページ「原点から考えなおすPTA」を開設 議論の過程を記録・発信するためにHPを開設。全国のPTA関係者からメールが届く。

 12年4月 総会で「原点から考えなおすPTA検討委員会」の設立を承認

 12年7月 会員対象にアンケートを実施 役員と教員、公募に応じた保護者の計11人で検討委が始動。会員アンケートで、PTAは任意加入だと知らない保護者が7割以上いるとわかり、コメント欄に書かれた要望などをもとに計7回の検討委で議論した。

 13年2月 臨時総会で、入退会の自由を規約にうたうことなど全議案を承認

検索フォーム

注目コンテンツ

学校最新情報