【動画】練馬区立橋戸小・横尾康幸先生=安冨良弘撮影 |
■東京・練馬区立橋戸小学校 横尾康幸さん(51)
【大西元博】6年生の社会。横尾先生が、手作りの大きな絵を2枚もってきて、黒板の両脇に広げた。1枚は鎧(よろい)を着た武士と質素な着物の女性。もう1枚は衣冠束帯の男性貴族と十二ひとえをまとった女性。いずれも等身大だ。
「さあ、自分ならどっちにするか、選んでください」
男の子は青、女の子は赤い磁石のカードをもって前に集まった。黒板の真ん中に引かれた中心線の右側が武士、左側が貴族。はっきりしない人は、中心線からの距離で、「貴族より」「武士より」か選ぶ仕組み。みんな思い思いにペタペタとカードを貼っていった。
貴族側は男の子11人、女の子6人、武士側は女の子8人、男の子7人だった。
「では理由を話して下さい」
先生は貴族を選んだ男の子たちに問いかけた。「武士は戦いで死ぬからいや」「貴族は遊べるし、平和に暮らせる」。先生が「どんな遊びがあるかな」とたずねると、「蹴鞠(けまり)」「舟に乗る」「歌を詠む」と声が上がる。「そうだね。争いがないから遊べたんだね」
次は武士を選んだ子に問いかけた。「武士は戦いがあるから強くなれる。貴族は戦いがなく、遊んでばかりいるから弱い」「貴族のご飯は豪華だけど、食べ物を残すのでゴミが出てしまうし、食事にも甘い物が出るので病気になりやすいと思う」
「武士の食事はどうだったかな」。先生が聞くと、みんなが答える。「質素!」「そう、だけどバランスはいいね」