秋田市で2004年に開学した国際教養大学。すべての授業を英語で行い、1年間の留学を義務づけるなど、特色あるカリキュラムで注目を集める公立大だ。2月に亡くなった中嶋嶺雄・初代学長からバトンを引き継ぎ、6月に就任した鈴木典比古(のりひこ)新学長(68)=国際基督教大前学長=に、めざす教育のあり方を聞いた。
――国際教養大の印象は。
学生たちはとてもよく勉強している。キャンパスは人里離れた森の中で、寮もあるので生活と勉強が完結している。職員も留学生に英語で対応しており、国際的な雰囲気が目立つ。
大学は勉強が基本で、すべて。このキャンパスでは環境的に遊べないので、学生の本分を尽くす大学といえる。
東京や大阪にあれば、ユニークな教育をしていても効果は埋もれていただろう。大都会を離れて寮生活をしながら、少人数教育を行っている米国のリベラルアーツ(教養教育)の大学に近いものがある。
■「雑木林型」教育
――教養大が掲げるリベラルアーツと、一般的な大学の専門学部との違いは。
専門学部制は、もともと近代のドイツの大学をモデルにしている。社会が変わる中、今の教育制度も打破し、次の制度を作らなければいけない。その一つの答えがリベラルアーツだ。
20世紀の産業社会では、大量生産には同質の人材を輩出する必要があり、専門学部制が合っていた。私は「人工植林型の教育」と呼んでいる。