いよいよ夏休み。先を見通したり、行動を切り替えたりするのが苦手な発達障害の子どもたちは、タイムスケジュールが一変する夏休みに、生活リズムを崩しやすくなります。過ごし方のコツを探りました。
■日課決め、生活にリズム
神奈川県の母親(45)の小学6年生の長男(12)は、自閉症の傾向がある発達障害児だ。「小1の夏休みが鬼門だった」と振り返る。
市の療育施設へ通っていた就学前は、1週間しかなかった夏休みが、小学校入学で40日に。時間割りがなく一日中家で過ごす生活に、長男は目に見えてイライラし、理由なく泣き出すこともあった。
そこで、午前中は買い物、夕方は保育所にいる弟のお迎えと日課を決めた。体を動かすのが好きな長男のため、40分以上かけて保育所まで歩いた。さらに週2回、市の児童デイサービスを利用。「とにかく毎日、外出するようにしました」
別の母親(40)の自閉症の小5の長男(10)は、時間にこだわりがあり、日課が変わるのを嫌がった。小1の時は市の移動支援サービスを利用し、ヘルパーさんに毎日連れ出してもらった。今も外食や旅行で時間がずれる時は、事前にスケジュールを見せ、不安を取り除くようにしている。
山梨県立こころの発達総合支援センターの本田秀夫所長は「自閉症やアスペルガー症候群の子どもは先を見通すことが苦手。時間割りのない自由な生活に戸惑いやすい」と説明する。
一方、注意欠如多動性障害(ADHD)の子は、行動の切り替えが苦手だ。夜型になるなど、生活リズムが崩れやすい。
神奈川県で発達障害のある子どもたちの生活や学習を支援する「たすく株式会社」(本部・鎌倉市)の斉藤宇開代表は「体を動かしたり外出したりせずにいると、ストレスがたまり、気持ちをコントロールしにくくなる。なるべく外での活動をとり入れてほしい」と話す。
横浜市の児童指導員が地域療育センターに通う3〜6歳児の母親73人に実施したアンケート(06年発表)では、夏休み中、半数以上の子は、睡眠の乱れやパニック状態などがひどくなった。また、母親たちが夏休み中にイライラや憂鬱(ゆううつ)を感じる割合は、健常児の親に比べて高かった。