【吉川一樹】残業続きで「不夜城」とも言われる中央省庁。その中で、消費者庁が男性職員の育児休暇取得に力を入れ始めた。うまくいくのか。
育児支援、企業も探る「パパになる部下や同僚がいたら、『育休取るの』ではなく、『育休はいつ取るの』と聞いてください」
平日のお昼休みに開かれた職員向けの勉強会。「消費者庁から日本を変える 男性に育休取得を促すコツと本当の意味」と題してNPO法人ファザーリング・ジャパンの塚越学理事(37)らが講演した。職員約30人が参加、耳を傾けた。
なぜ消費者庁なのか。森雅子消費者相が、少子化と男女共同参画の担当相も兼ねているからだ。森氏は3月、「育児休暇を取った場合に不利益な扱いをしないだけでは不十分。利益になるように」と述べ、育児や介護、趣味、レジャー、自己研鑽(けんさん)などのために休暇を取った職員の人事評価を上げられる制度を導入。5月には、休暇取得に協力した同僚や上司も評価できるようにした。
一見斬新だが、よく見ると驚きはない。対象となるのは、妻の出産に伴う休暇(2日以内)や、育児参加のための休暇(5日以内)など基本的にごく短い有給休暇を想定。だが一般職の国家公務員全体で、妻の出産に伴う男性の休暇の取得率は8割、男性の育児参加の休暇の取得率も4割(いずれも2009年度)と、元々そんなに低くない。
育休と聞いてまず思い浮かぶ長期の休業(無給)が評価対象となるかは明記していない。「他省庁から数年任期でくる出向職員が多く、長期の休業取得は想定しにくい」ためという。ちなみに一般職の国家公務員男性の、長期の育休取得率は3・7%(11年度)だ。