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2011年12月20日
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2012年度大学入試センター試験
試験日:2012年1月14日・15日

合格祈願紀行

歴史の街に新しい息吹 福岡・太宰府天満宮

イラスト:太宰府天満宮かいわい:イラスト・太宰府天満宮かいわい(田原ウーコ)拡大イラスト・太宰府天満宮かいわい(田原ウーコ)

写真:太宰府天満宮本殿:太宰府天満宮本殿。国の重要文化財に指定されている拡大太宰府天満宮本殿。国の重要文化財に指定されている

写真:お石弁当:お石弁当=太宰府市宰府の「お石茶屋」拡大お石弁当=太宰府市宰府の「お石茶屋」

写真:「維新の庵」:梅ケ枝餅とセットの抹茶=太宰府市宰府の松屋・喫茶「維新の庵」拡大梅ケ枝餅とセットの抹茶=太宰府市宰府の松屋・喫茶「維新の庵」

写真:光明禅寺:紅葉が美しい庭園=福岡県太宰府市の光明禅寺拡大紅葉が美しい庭園=福岡県太宰府市の光明禅寺

写真:「風見鶏」:ケーキセットが人気=太宰府市宰府の喫茶「風見鶏」拡大ケーキセットが人気=太宰府市宰府の喫茶「風見鶏」

写真:スターバックス太宰府天満宮表参道店:太宰府天満宮の参道にオープンした「スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店」。建築家・隈研吾が「自然素材による伝統と現代の融合」というコンセプトの下に設計した拡大太宰府天満宮の参道にオープンした「スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店」。建築家・隈研吾が「自然素材による伝統と現代の融合」というコンセプトの下に設計した

 学問の神様、菅原道真をまつる太宰府市の太宰府天満宮。905(延喜5)年に門弟の味酒安行が墓所に祠(ほこら)を建てたのが始まりとされ、年間650万〜700万人の参拝客が訪れます。

     ◇     ◇

 平日なのに境内も、参道も多くの人が歩いている。

 ウーコ やはり、学生が多いですね。

 吉良 そろそろ受験シーズンですからね。「合格祈願」の絵馬もたくさんありますね。

 天満宮の宮司は道真の子孫が引き継ぐ。いまは39代目の西高辻信良さん(58)。「1100年以上の歴史を持つ。先祖が大切にしてきたものをお守りし、訪れる多くの人を元気にしてお帰ししたい」

 名物の梅ケ枝餅。始まりは道真が亡くなった時、餅を作っていた老婆が梅の一枝に添えて柩(ひつぎ)に供えたなどの説がある。江戸時代まではあんこなしで、ミソをつけて食べていたそうだ。

 門前町では約40店が扱う。かつて約70店あったが、後継者不足などで減った。それでも一帯の店舗数は約90店と減っていないのは、「入店希望が多いから」と太宰府天満宮参道会会長の三宅明治さん(66)。辛子めんたいこ、カステラなど看板は変わっている。

 参道そばの太宰府館は2004年秋、スーパーの跡地にオープンした。太宰府観光協会などが入る。かつて高層マンションの建設計画があったが「歴史ある一帯の景観にそぐわない」と反対の声が上がり、ご破算になった。

 翌05年、九州国立博物館が開館した。観光協会長で太宰府梅ケ枝餅協同組合理事長の不老安正さん(67)は「新しい文化が加わり、客の滞在時間も増えた。今後も一帯は発展する」とみる。ただし、「見て楽しいものがある。楽しい買い物ができる。おいしい物が食べられる」の条件付きだ。「個性ある店作りが必要」と話す。

 そんな中、スターバックスコーヒーが16日、参道に出店した。木材を多用するなど従来の店舗とは違う「伝統」を意識した店構え。

 ウーコ 何度も来ていますが、意外と知らないところが多かったです。

 吉良 新たな出会いを求めてまたおいで下さい。

 (文・吉良隆夫 イラスト・田原ウーコ)

●往年の著名人が通った茶屋

 天満宮北神苑の奥まったところにあるお石茶屋。大正中期〜昭和初期、女主人江崎イシは美貌(びぼう)と男勝りのきっぷの良さで名をはせた。政治家の犬養毅や佐藤栄作、詩人の野口雨情、歌人の吉井勇、俳優の長谷川一夫らが訪れた。店の横の赤煉瓦(れんが)造りのトンネルは筑豊の炭鉱王・麻生太吉が遠回りせず店に通えるように掘ってやったともいわれる。「お石弁当(1070円)、梅の香うどん(480円)などがお薦め」と養女で若おかみの古川通世さん(57)。▲不定休 電話092・922・4045

●抹茶で梅ケ枝餅満喫

 参道に入ってすぐの松屋・維新の庵。昭和初期までは旅館だった。幕末、勤王の志が強かった月照上人は幕府の嫌疑に触れ、西郷隆盛を頼って薩摩に向かい、太宰府で宿泊したのが松屋だ。旅館をやめた後は土産物と梅ケ枝餅を販売。1987年、一角を喫茶にし、自然の景色を生かした庭に作り替えた。「月照が縁で今も京都清水寺と付き合いがある」と若おかみの栗原雅子さん(63)。梅ケ枝餅とセットの抹茶、コーヒー(各600円)など。▲不定休 電話092・922・6125

●見事な石庭、茶室開放

 天満宮南隣にある臨済宗東福寺派に属する光明禅寺は、菅家出生の鉄牛円心和尚が鎌倉中期に創建した天満宮の結縁寺。寺の前庭は7、5、3の15石を配して「光」の字を表した九州唯一の石庭「仏光石庭」。裏庭は青い苔(こけ)で大陸と島、白砂で水と大海を表現した枯山水の「一滴海之庭」となっている。晩秋にはカエデの紅葉が素晴らしく、苔と石に映え、一見の価値がある。茶室も開放されており、見物客も多い。拝観料200円。

●大正ロマン醸す喫茶

 築約130年の建物。昭和30年代までは旅館だった。梁(はり)などを残し、1990年に喫茶「風見鶏」が開業。テーブルやオルゴール、食器棚など和洋のアンティークのものを生かした大正ロマンが売りだ。ウエートレスの制服も大正のハイカラさんをイメージしている。「女性客が多い」と2代目の前原誠社長(46)。ブレンド、ストロング(各600円)、ウインナーコーヒー(680円)にケーキ(300円)を加えたケーキセットが人気。▲不定休 電話092・928・8685

■記者から

 境内には樹齢1千年ともいわれる大クスなど51本のクスノキと約200種6千本の梅の木があり、「天神の森」と呼ばれ、環境省のかおり風景100選に選ばれています。約15年前、この森がピンチに陥ったのです。

 樹齢800年ほどのクスノキが突然枯れました。他の樹木も元気がありません。驚いた天満宮は九大や造園業者とチームを組み、クスの根を掘り、土を入れ替えるなどしました。多くの参拝者で樹木のそばの土が踏み固められたのが原因のようです。今はそばに行けないように柵を設け、樹木は青々と茂っています。自然は手を加えてやらないと残らないことを知りました。

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