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2013年度大学入試センター試験
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学生寮、多彩にチェンジ 企業参入で新タイプ続々

写真:食堂で談笑する学生。入学直後に偶然、同じ大学の同じクラスとわかり、仲良くなったという=東京都足立区の学生会館「ドーミー北千住」拡大食堂で談笑する学生。入学直後に偶然、同じ大学の同じクラスとわかり、仲良くなったという=東京都足立区の学生会館「ドーミー北千住」

 【杉原里美】相部屋でプライバシーがなく、先輩との上下関係も厳しい。そんなイメージがあった学生寮が様変わりしている。企業が参入し、共通の趣味を持つ学生が集まる寮や、食堂があるだけのマンションタイプも登場。規則的な食事や安全を求めたい親のニーズにも合っているようだ。

■趣味の設備充実、健康相談サービスも

 東京都小金井市の住宅街で、大学生や専門学校生ら19人が共同生活をしている。女性専用の「ドーミー小金井Net」。一見普通の学生会館だが、住人はみな、アニメやゲーム好きの若者たちだ。

 昨年4月、寮やホテルを経営する「共立メンテナンス」が古い学生会館を改装し、オープンさせた。個室に加え、大型テレビを備えた「シアタールーム」、同人誌を作れるパソコンやコピー機がある「クリエーターズルーム」など共用部が充実している。

 「一緒にアニメを見たり、マンガを貸し借りしたりしています」。入居者のリーダーを務める早稲田大大学院の女子学生(23)は、新潟県出身。3月まで別の学生寮に4年間住んでいたが、コミュニケーションの取りやすさを求めて移ってきた。

 もともと、寮暮らしのきっかけは安全を気にかける親の勧めだった。昔ながらの共同生活のイメージで気が進まなかったが、すぐに友人もでき、「一人暮らしより楽しい」と気に入った。一昨年3月の東日本大震災の後は、入居者全員で携帯メールのリストをつくり、計画停電などの情報を交換したという。

 ここに住む漫画家志望の女性(28)は、利点として生活費の安さも挙げる。礼金や敷金にあたる入館費はかかるが、ベッドや机などをそろえる必要はなく、食事もついて月10万円以内に収まる。

 共立メンテナンスは約800の大学や専門学校と提携し、230の学生会館を運営する。最近は、趣味などの特徴を出した「コンセプト型」や、数人で住み、比較的家賃が安い「シェアハウス型」、留学生も住む「国際交流型」など、新しいタイプも増やしている。大学側からは「留学生と交流できたり、学生のコミュニケーション力を高めたりできる寮をつくってほしい」といった要望があるという。

 一方、首都圏で学生専用マンションを仲介する「毎日コムネット」は2008年から、自社で「食事付き学生マンション」を運営。共用部は食堂のみで、それ以外は普通のマンションと変わらない。田中新・総合企画部長は「プライバシーを大切にする学生が多い一方で、保護者は食事や健康、防犯面での安心を求めている」と話す。

 同社は保護者のニーズに応えようと、警備会社との提携や健康相談サービス、日々の献立を伝えるブログなど、さまざまな工夫をしている。男子学生向けが中心だが、昨春に東京都内でオープンした女子学生向け施設は、募集後すぐに全109室が埋まったという。

■「成長の場」評価広がる

 学生が共同生活をする住まいには大学などが運営する寮や、民間経営で異なる学校の学生が集まる学生会館などがある。日本学生支援機構の調査では、寮(外部委託含む)を設置している大学は10年度時点で全体の51%。08年度から約4ポイント増え、私立大学と専門学校で伸びた。慶応大が06年度に作った直営の寮は、体育会に所属する学生と留学生向け。民間企業にも慶大生専用の寮の整備や運営を委託している。

 私大が寮に力を入れる背景について、共立メンテナンスの担当者は「少子化で学生を確保しにくくなり、広い地域から集めたいと希望する大学が増えた。低コストで寮を整えるため、企業への委託も広がっている」と話す。

 寮暮らしの学生には、企業も注目しているようだ。「自分力開発研究所」が昨年、「寮生活が学生にもたらす効果」を調べたところ、寮生のイメージについて企業の採用関係者の7割が「協調性がありそう」と答えた。「学生が寮経験者だった場合、好印象を持つ」との回答は3割余りにのぼった。また、寮生と一人暮らしの学生を比べると、寮生の方が夢や目標がはっきりしている傾向が表れた。

 大学側もこうした側面に期待する。学生寮に詳しいお茶の水女子大学生支援センターの望月由起准教授によると、同大や立命館アジア太平洋大など、寮を生活を通した成長の場として打ち出す大学が増えているという。「寮生の社会的評価が高まれば、安全や経済的な視点だけではなく、寮の効果に着目して選ぶ保護者も増えるのでは」

■申し込み、既に開始

 民間の学生会館や学生マンションの来春の入居申し込みは、すでに始まっている。「最近は推薦入試などの合格者で、空室の約半分の入居が年内に決まってしまう」(毎日コムネット)。特に食事付きの物件は人気が高く、埋まるのも早いという。

 一般の入試を受験する予定で、まだ入学先が決まっていない人からも、予約を受け付けているところが多い。ただ、入居の申込金やキャンセル料がかかる場合もあり、確認が必要だ。また、入居前に見学や体験宿泊できる施設もある。

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