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2013年度大学入試センター試験
試験日:2013年1月19日・20日

特集

小林秀雄のせい? センター試験国語平均点が大幅ダウン

図:大学入試センター試験・国語の平均点の推移

 拡大大学入試センター試験・国語の平均点の推移  

 大学入試センター試験の平均点中間集計で異変があった。国語の平均点が大きく下がり、5割を切ったのだ。何があったのか。

国語の問題と解答はこちら

 ●いきなり難解、受験生苦しむ

 同センターによると、過去の国語の平均点が最も低かったのは、2003年の101・08点(200点満点)。中間集計は1〜2点の誤差があるが、現段階の数値が変わらなければ、過去最低となる。

 今年の国語の問題は例年通り、評論、小説、古文、漢文から1問ずつ。大手予備校の自主集計によると、1問目の正答率が軒並み、例年に比べて低かった。出題されたのは小林秀雄の「鐔(つば)」。刀の鐔の歴史に始まり、その美しさについて思いを巡らせた随想で、脚注だけで21個、鐔を示すイラストまで添えられた。

 小林秀雄(1902〜83)は戦前から活躍した批評家で、「近代批評の神様」とも言われた。代表作「無常といふ事」のなかの一文「美しい『花』がある 『花』の美しさという様なものはない」のように、意表をつく言い回しが多いために文意をとりにくく、昔から受験生を苦しめてきた。

 ●以前から批判、成功かは微妙

 代々木ゼミナールによると、小林作品は今世紀に入ってからも年に10大学前後の入試に出ていたが、この3年は激減。土生昌彦・教材研究センター本部長は「小林を入試に出すことについては以前から批判があり、成功したかどうかは微妙なところだ」と話す。

 駿台予備校によると、受験生からは「じっくり読まねばならず、配分がうまくいかなかった」「過去問の傾向と違い、読み慣れていない文章で戸惑った」などの声があったという。

 センター試験問題を分析したベネッセの内山公宏さんは「小林の文章は評論でありながら、随筆風に展開されている。高校生にとっては難解だった」と話す。

 基礎的な学習の達成度を判定するセンター試験の国語の問題に小林秀雄の文章が出たのは、79年に始まった前身の共通1次試験を含めても初めてだ。

 問題は平均点が6割になるのを目指して作っており「問題が難しかったということは、点数的には言えるだろう」と同センターは話す。ただ「それが小林秀雄だからか、というのはわからない。四つの大問の一つに過ぎず、難度は設問との関係もある」としている。

 ●様々なる文章「読み解いて」

 もともと共通1次試験導入を決めた入試改革の際、悪問や奇問をなくそうとして、手ごわい小林作品は、まっ先に対象にあげられたとの説さえある。なぜ、今年になって出てきたのか。

 代ゼミの土生さんは「センターは公平性を重視し、教科書や過去問とのダブりを気にすると言われてきた。出題されなくなり、今の受験生の知らない小林の出題は公平性に配慮した結果かもしれない」と話す。

 実は今年の国語、2問目の小説も、いまや知る人ぞ知る作家からの出題だった。戦前期に活躍し、小林とも交流のあった牧野信一(1896〜1936)。出題された「地球儀」は小説のなかに小説が入っている、重層的な作品だ。

 ベネッセの内山さんは「いろいろなスタイルの文章を読み解いてほしい。読み解けなければならない、とのメッセージでしょうか」と推察している。

 (編集委員・村山正司、山田優)

 

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