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2013年度大学入試センター試験
試験日:2013年1月19日・20日

特集

大学入学後の「再受験」急増 9年で60倍、予備校調査

図:志望先選びについて受験生に聞きました拡大志望先選びについて受験生に聞きました

 【大西史晃】大学にいったん入った後、新たな境地を求めて受験をやり直す学生が増えている。大手の駿台予備学校によると、今春入試の「再受験者」は4万人近くと推計され、ここ10年足らずで急増している。大学と学生の関係に、どんな変化が生じたのか。

 駿台は、大学入試センター試験の志願者数や、大学への入学者数など、公表されているデータを元に推計した。

 まず、各年度の大学・短大の志願者数から入学者数を引く。これを「浪人最大数」とする。次に、次年度のセンター試験の志願者のうち、すでに高校を卒業した人の数から「浪人最大数」を引けば、現役でも浪人でもない「再受験者」数がおおまかに割り出せるという。今春の入試は約3万8千人。昨春に大学・短大に入学した65万人余りの約6%に当たる計算だ。この数は、センター試験が不要な大学を受験する学生を入れれば、さらに増えるという。

 再受験者数の推計は、9年前は約600人、6年前は約1万7千人、3年前は約3万2千人だった。センター試験に参加する大学数が違うため、単純比較はできないが、増加傾向ははっきりしている。

■親世代の考え方、変化

 再受験が広がる背景にはどんな事情があるのか。

 「ギャル系の子がたくさんいて嫌だ」「周りと会話のレベルが合わない」「教員になりたいのに、サークルの先輩に『うちでは教員採用試験は無理だよ』と言われた」

 入試動向の分析を担当する石原賢一・駿台情報センター長は、教え子たちのそんな声を聞いてきた。

 背景には、親世代の考えの変化があるという。「自分たちの受験が厳しかった分、子どもに対しては安全志向が強まっている」。駿台の生徒を対象にした調査では、そうした親の意向に従う子どもが増えている。志望校選びで親と意見が合わない場合、「自分の意見を通す」は、1995年の67・5%から、2010年は49・4%まで下がった。本人の思い入れの強くない大学や下調べが不十分な大学に入った結果、再受験に至るとみる。

 石原センター長は入試の成績を開示する大学が増えた点など入試制度の変化も影響したとみる。別の大学に入学した後でも、本命の合格ラインまでわずかな点差とわかれば、「もう一度挑戦してみよう」という気になるという。

 リクルート進学総研の昨秋の調査では、高校の進路指導担当者の9割超が進路指導に難しさを感じ、理由として前回(10年)は21・5%で3位だった「(生徒の)進路選択・決定能力の不足」が24・3%で2位となった。自由意見では「親の言うなりに進路選択をしている」「進路選択・大学入試制度の多様化に伴う理解不足」などが挙がった。

 入試事情に詳しい「大学通信」の安田賢治・常務取締役は「入ってみないとわからないことがたくさんある。この大学では就職が厳しいと感じた学生が、資格系の大学に入り直したりしている」と指摘する。えり好みしなければ誰もが大学に入れると言われる「大学全入時代」を迎え、「進学先の選び方が甘くなっている」とし、「全入時代こそ大学選びは難しいということを知ってほしい」という。

 駿台も親向けの入試説明会などで、再受験は「回り道」になり、経済的負担も大きいとして、どの大学に行きたいか、授業を体験するなどして慎重に選ぶよう呼びかけている。

 教育費負担の観点から高等教育を研究している矢野眞和・桜美林大教授は「高所得の世帯ほど子どもの進学率が高いが、浪人を許してくれる世帯も高所得の傾向が強い」と説明。家計の事情で浪人をあきらめて不本意な大学に入る学生が目立ってきていることも、再受験者増の一因とみる。

 一方で、「AOや推薦入試の広がりで『学びの習慣』がつかないまま大学に入る学生が増えている。本当に行きたいところを目指して頑張ることはむしろ健全だ」と、再受験する学生の姿勢は評価している。

■「入学してわかった」

 東京都内に住む男子学生(22)は、昨春から早稲田大文学部に通う。1浪後の2010年春に、一度は明治大国際日本学部に入学。だが、1年後に休学し、1年かけて受験勉強をやり直し、早大に合格した。

 明大は、「国際」という学部名にひかれた。ただ、授業を受けるうちに想像していた学部像との違いを感じた。そのころ、美術史に興味を持つようになり、調べると早大文学部のカリキュラムに魅力を感じ、再受験を決心した。

 「明大の良さもあった」としつつ、「下調べもせずに受験した。入学して初めてわかることが多かった」と、男子学生は振り返る。

 埼玉県在住の女子学生(20)は現役時、第1志望の東大に落ち、国際基督教大(ICU)教養学部に入学。高校の先生からは浪人を薦められたが、「ICUはいい大学だし、高3でしっかり勉強したからもういいや」と考えたという。

 だが入学後、「理系科目がもっと充実したところに行きたい」と思い直し、1学期だけ通って休学。昨春に再受験して東大理科1類に合格した。

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