ニューヨーク(NY)のアッパーイーストサイドのアパートから東に5分ほど歩くと、イーストリバーサイド沿いにカールシュワルツパークという大きな公園があった。西に10分ほど歩くとマンハッタンの8分の1ほどを占めるといわれている、これまた大きな公園、セントラルパークがあった。
不思議なことに、これらの公園では平日の昼間だというのに、服装や公園へのなじみ具合からして、どう見ても観光客ではないな、という感じのたくさんの大人たちが遊んでいた。
ベンチに座ったり、芝生に寝転んだりして読書をしていたり、テニス、バスケット、野球、ローラーブレイド、サイクリング、ランニングなどをしていたり、チェス、バックギャモンなどで遊んだりしている大人たちがいっぱいいて、「お前ら、ひまかー」てな感じなのであった。
不思議なことに、これらの公園では平日の昼間、赤ちゃんや幼児をベビーカーに乗せてやって来る人たちは、たいていが大人と子どもの人種が違っていた。
一番多い組み合わせがアフリカン・アメリカンの女性と白人の子ども。聞けば、このアフリカン・アメリカンの女性は、ほとんどがベビーシッターなんだそうだ。
不思議なことに、これらの公園では土日の昼間、赤ちゃんや幼児をベビーカーに乗せてやって来る人たちは、たいていが父親と思われる男性だった。
赤ちゃんのオムツを取り替えたり、ミルクを飲ませたり、あやしたり、幼児と遊んだり、ほかの父親たちと楽しそうに話をしたり、彼らは育児にとても慣れている感じだった。彼らに「奥さんは?」と聞くと、「家で休んでるよ」とか、「毎日育児で大変だから、息抜きに土日は遊びに出かけているよ」などと言っていた。
NYに息子とともにやって来て、昼間公園をうろうろしていると、日本で生まれ育った私にとっては、とても不思議な光景があっちこっちで繰り広げられていた。
平日の昼間、大の大人がたくさん公園で遊んでいるなんて、日本ではありえねー、という感じだったし、ベビーシッターの多さにも驚いたし、父親たちの育児の見事さにも驚いた。なんだか、風通しのいい生活をしている人たちがいっぱいいるんだなあという感じだったのである。
ベビーシッターに関して言えば、NYは移民してきた人たちがほとんどで、貧富の差も激しく、ベビーシッターを雇う側、雇われる側の経済格差の問題もあり、能天気に、いいねー、とは言えないと思うが、父親たちの手なれた育児に、妻への心遣いはどうだ。これはもうほんとうに、いいねー、えらいねー、日本の父親も見習えよ!てな感じだったのである。
(次週に続く)