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あと少しの辛抱だ

2005年07月14日

 息子が体験入学した東京のある区立小学校1年生は1クラス40人ずつで、3クラスあった。そして、クラスを受け持つ担任は各1人ずつ。この担任が全教科を受け持っていた。

 これは実に大変な仕事量だった。

 息子が体験入学したのは、6月の下旬のこと。ということは、クラスの子どもたちは小学校に入学してから、まだ2カ月ほどしかたっていなかったのである。だから余計に大変そうだった。

 初日、どんな様子なのか私も体験入学に付き添っていいということだったので、教室にずっといさせてもらった。

 朝、教室に入ってきた担任は出席をとった後、「朝の歌の時間」ということで、ピアノを弾いて子どもたちと一緒に歌を歌った。国語の授業では「あいうえお」を教え、一人ひとりの字を添削して回った。休み時間のほんの10分ほどにも、前日の宿題を見て、全員に一言添える。算数の時間では「1+2」を教え、理科の時間には、一人ひとりが育てているという朝顔の手入れと観察をしに、彼らを裏庭に連れて行き、観察日誌の付け方の指導をする。体育の時間はプールで水泳指導をするため、子どもたちに着替えがすんだらすみやかに外のプールサイドに集まるよう指示し、すきをみて、自分も水着に着替える。

 体育がすんだら、次は給食の時間。給食当番にエプロンを着けさせ、この学校では、子どもたちに本物の感触を味わわせようと、食器はすべて陶器のため、割らないように指導しつつ給食を配らせる。食事中は、食事のマナーをチェックし、彼らの食欲に気を配る。そして、昼休みをはさんで、午後の授業へと続いていく。

 もうね、これは本当に頭が下がる仕事量だった。

 ニューヨークのエレメンタリースクール(日本でいう小学校)なんて、ずっと前から公私立とも、1年生から担任は英語と算数だけを受け持ち、それ以外の教科、たとえば理科、社会、美術、体育、音楽などは、ほかの先生が受け持っているところがほとんどだ。クラスの人数も30人前後。

 日本でも1クラスの少人数化を進めたり、低学年の場合、担任のほかに副担任をつけたりしている小学校がずいぶん増えてきたと聞いていたので、息子が世話になった担任にそのことを尋ねてみた。

 すると、「少人数にしたり、副担任をつけたりした場合、国からその費用は十分に出ずに、各自治体からになるのですが、それがなかなか難しいんですよ」とのことだった。

 しかし、やっと来年度から国として、「1クラスの少人数化」や「低学年にチームティーチングの先生(退職教員や教員免許を持っているが正式に教員として採用されていない人たちによる教科の複数教員)や副担任をつけること」などを実施する方向で検討が進められているらしい。

 あと、少しの辛抱だ。

 先生も子どもも、頑張ってね、てな感じである。

 (次週に続く)


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    兵藤ゆき

    名古屋市出身。血液型O型。
    東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークに。
     主な著書に「ぶんちんタマすだれ」「ゆき姐のニューヨーク裏うら散歩」「でこぼこなクラス写真〜子どもたちは黙っちゃいない〜」(いずれもワニブックス)、「ニューヨーク熱血井戸端会議」(集英社be文庫)などがある。

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