5月29日の月曜日は、アメリカはメモリアル・デー(戦没者追悼記念日)の祝日だった。州によって異なるが、アメリカの祝日は主に月曜日にしてあるので、祝日があると自動的に土、日、月の3連休となる。
この休みを利用して、息子がプリ・スクール(日本でいう幼稚園の年中)に通っていたときに同じクラスだった男の子が、我が家に泊まりに来た。
彼と息子は、プリ・スクール以後は別々の学校に進学していったのだが、ずっと仲よしで、時々こうして彼は我が家に泊まりにやって来る。
彼のお父さん、パットは新聞記者、お母さん、キャサリンは弁護士。彼らの息子と娘は、マンハッタンの公立エレメンタリースクールのギフテッド・クラス(「ギフテッド・クラスの春」を参照)に通っている。
パットはイタリア系アメリカ人、キャサリンは中国系アメリカ人で、ふたりはとても料理が上手だ。
特にパットは、本格的なイタリア料理をおじいさんから伝授されたとかで、我が家はもう何回もパットの手料理をごちそうになっている。
ラザニア、パスタは言うに及ばず、自家製ソーセージに子牛のトマトソース煮など、彼が作る料理は全部おいしい。
そんな彼らに、今回は我が家の夫が手料理をごちそうしようと、パットファミリーを晩ご飯に招待して、その後、彼らの息子だけが我が家に1泊していく、ということになったのだ。
夫は大阪出身で、お好み焼きが大の得意。ほかにもいろいろ自分で考えて料理をするのが好きで、我が家に大勢友だちが遊びにやってくると、たいてい彼が腕を振るう。
今回のメニューは手羽の照り焼きと冷やし中華は夫、サラダとおにぎりは私の担当。
幸いどの料理も好評で(私担当のサラダとおにぎりは、料理とは言わないか)、特に夫の手羽の照り焼きは大好評で、両家の夫たちは互いの料理の腕の確かさを褒めたたえ合い、料理談議に花を咲かせていたのであった。
子どもたちはというと、なんと、満腹になったあとの腹ごなしにと、息子が取り出したけん玉に興じ始めた。
3年前の夏休み、日本に一時帰国した際、息子が体験入学した東京の小学校の生徒たちは、学校の教育方針のひとつとして、全員、けん玉ができるようにと毎日練習していた。なんでもけん玉は、集中力強化に良いのだとか。
当時1年生のクラスに体験入学した息子も、早速けん玉を買い、練習。
♪もしもし かめよ かめさんよ〜♪の歌に合わせて、小皿、中皿、大皿、棒へと玉を運ぶ友だちの指導の下、あっという間にわざを習得し、ニューヨーク(NY)にやって来ても、ときどき真剣に練習していた。
この話をキャサリンにすると、「日本って、そうやってみんなで何かをするという教育が盛んでいいわよね。息子の学校はそういうのは一切ないのよ。フィールド・デー(運動会)さえないのよ。これって問題よねー」。
子どもたちがけん玉に興じている横で、キャサリンはNYの教育問題について熱く語り始めたのであった。
(次週に続く)
※文中の歌は「うさぎとかめ」(作詞:石原和三郎、作曲:納所弁次郎)