『子どもを守る101の方法』(前回参照)には、子どもを犯罪や事故から守るための具体的な方法が書かれてあるが、各章の終わりに著者のベニー・メアーズ氏の考えをまとめた短文がある。
たとえば第2章「ベビーシッター」には、
「自分の子どもの安全をいつも第一に考えてください」
第7章「アパートやホテル」には、
「子どもに安全教育を行い、より安全な社会にしていきましょう」
第9章「インターネット」には、
「子どもを危険から守ってあげれば、その子は安全に夜を過ごせるでしょう。自分の身を守る方法を教えてあげれば、その子は安全に人生を送れるでしょう」
第10章「からだ」には、
「子どもの安全は親の最大の責任です」などなど。
ホントそうだよなー、と思わせる言葉が端的に書かれてあると思う。
ベニー・メアーズ氏はロス市警の警察官時代に、児童虐待の電話を数多く受け、さまざまなタイプの性犯罪者についての報告をまとめたそうだ。
民間企業に移ってからは役員の警護、その後は“ボディーガードのスペシャリスト”として、国内外を問わず、ビジネスマンや有名人、外国の高官など、大人やあらゆる年齢の子どもの警護にあたってきたという。
そんな中で彼は、子どもに降りかかったさまざまなつらい事件をたくさん見てきたことだろうと思う。
もし親がちゃんと子どもに安全教育をしていたら、もし親がちゃんと子どもを見ていたら、こんなことにはならなかったのではないか、と思うような事件や事故にたくさん出会ってきたのではないだろうかと思う。
そのうち、「こらー、親、なにをしとるんじゃー!」と頭にきたりしていたかもしれない。
先日、名古屋で息子がこの夏休み中だけ通うことになったテニススクールでのこと、3歳くらいの男の子が、1メートルほどの高さの階段の手すりによじ登ろうとしていた。
足元はサンダルだ。
よじ登るのもむちゃだし、サンダルが今にも脱げそうですべってひっくり返って頭を打ったらどうするんだ、親はおらんのかー、親はー!と思っていると、母親がすぐ隣に立って、よその人と話をしているではないか。
遠くから声を掛けると子どもがビックリして落っこちるといけないので、素早く近づいて行こうとした途端、母親が子どもを見た。
ところがこの母親、見ただけで、またよその人と話を始めるではないか。
と、どこからか私より早く、年のころなら60半ばくらいの女性が飛んできて、子どもを後ろから抱きしめ、手すりから下ろしたのだった。
「ちゃんと見とかんと、子どもが落っこちるところだったよ」とこの女性は母親をたしなめた。
「すみません」
母親は女性に謝ったが、そのすぐ後、「なにやっとるの!」と子どもの頭をたたいたのだった。
おいおい、たたかずにきちんと子どもに説明せいよ、その前にちゃんと子どもを見とけよ。
願わくはこのお母さんが、『子どもを守る101の方法』を手にして、勉強してくれたらいいのになあと思ったのは、言うまでもありません。
(次回に続く)