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元気が出るテレビ『ボクシング予備校』その後(3)

2006年08月10日

 『ボックスファイキッズ』とは、飯田君が子どもたちのためにボクシングの基礎練習を織り交ぜながら専門家の協力を得て考案した、脳と体のトータルトレーニングなのだそうだ。

 “ビジョン・トレーニング”、“コーディネーション・トレーニング”、“右脳トレーニング”という三つのトレーニングからできているこのプログラムは、ボクシングなどのスポーツが大好きな子どもはもとより、注意力がなく、すぐに転んだりけがをしたりする子どもや、集中力がなく、すぐに飽きてしまう子ども、運動神経が鈍い子どもたちにも、それを改善するのにもってこいのプログラムだという。

 さて、“ビジョン・トレーニング”とは? だが、

 このトレーニングのひとつに、幅1センチ、長さ50センチの角棒に、10センチ間隔に赤、黄、緑、黒などの色テープをはったり、数字やアルファベットを書いたりしたものを2本用意し、それを15センチほど離して1本ずつ両手に持ち、顔を動かさずに目だけで指示された色や数字を追っていくというものがあった。

 飯田君がボクシング予備校に出演している頃、相手のパンチを素早くよけるための練習のひとつを話してくれたことがある。

 動体視力を強化するというもので、特急電車に乗ったときなどに、窓の外を飛んでいく看板の文字を読み取るというのだ。

 角棒の練習も、目を適切にコントロールして両眼の焦点を合わせたり、周辺視野を拡大したり、素早く巧妙に動けるようにするという意味で、まさにこれに匹敵するトレーニングのひとつといえよう。

 ジャブ、ストレート、フック、アッパー、というボクシングのパンチの基本に、

1−ジャブ

2―ストレート

3−フック

4−アッパー

 というように番号をつけ、それをカードに書き、

「1、2、3、4!」

 と飯田君がカードを見せながら言うと、

ジャブ、ストレート、フック、アッパー

 と子どもたちがパンチを繰り出す練習も面白かった。

「2、3、1、4!」

 とカードがなれば、

ストレート、フック、ジャブ、アッパー

 と子どもたちはパンチしなければならないわけだ。

 これも目で見て、瞬時に体が動くようにする練習。

 人間の情報収集は8割が目からだと言われているそうで、視力能力が低下すると脳への情報入力がうまくいかず、運動能力、学習能力が低下してしまう原因のひとつになってしまうそうだ。上記のような“ビジョン・トレーニング”は、まさにその要の目、視覚を中心とした五感を総動員させ、素早く巧妙に動けるようになることが目標のトレーニング。その能力が向上すれば、脳の働きも良くなり、運動神経も学力もアップするはずという。

 飯田君が考案した『ボックスファイキッズ』は、“ビジョン・トレーニング”、そして視覚能力だけでなく情報の安定化を強化する効果もあるという“コーディネーション・トレーニング”、暗記力やイメージ力を高める効果があるという“右脳トレーニング”を交えた、子どもたち本来の元気を引き出す、まさに“元気が出るプログラム”なのだ。

 元気が出るテレビ『ボクシング予備校』から生まれた世界チャンプ、彼のボクシング人生にほんの少し参加させてもらった私だが、現役のときも今も、子どもたちのお手本になる真のスポーツマン飯田選手を、私はとても誇りに思っています。(次週に続く)


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    兵藤ゆき

    名古屋市出身。血液型O型。
    東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークに。
     主な著書に「ぶんちんタマすだれ」「ゆき姐のニューヨーク裏うら散歩」「でこぼこなクラス写真〜子どもたちは黙っちゃいない〜」(いずれもワニブックス)、「ニューヨーク熱血井戸端会議」(集英社be文庫)などがある。

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