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ゆき姐の子育て応援エッセー

みんなの愛の日 バレンタインデー

2007年02月15日

 バレンタインデーシーズンのニューヨーク(NY)は、商店はもとより、家々にも、赤やピンクのハートのオブジェがいっぱい飾られている。

 クリスマスのときのように、親戚(しんせき)や友だちから送られてきたバレンタインデーカードがドアにたくさんはってある家もある。

 夜になるとオブジェにあかりがともされ、キラキラキラキラ、あっちでもこっちでもハートが輝いている。

 NYに住みだして初めてのバレンタインデーの日、地元の新聞や、地下鉄の階段の段差のところ、商店のドア、タイムズ・スクエアの電光掲示板などいたるところに、街の人々から、それぞれの大切な人へあてた愛のメッセージが張り出されているのを見たときには、ちょっと驚き、感動した。

 その愛のメッセージは、女性から男性へのものだけではなく、子どもから親へ、親から子どもへ、孫から祖父母へ、祖父母から孫へ、妻から夫へ、夫から妻へ、会社の同僚から同僚へなどと、あらゆる人々からのメッセージだったからだ。

 街のお菓子屋さんのバレンタインデーコーナーには、老若男女がチョコレートやケーキを買うために並んでいたのにも驚いた。

 日本にいるときには、バレンタインデーは女性から男性へ愛を告白する日、というイメージが強かったので、この、「みんなの愛の日 バレンタインデー」というのを目の当たりにしたときには、日本のはなに?と、頭の中が?マークでいっぱいになった。

 息子が通うNYの学校でも、バレンタインデーの1週間ほど前から、学校中のクラスの入り口のドアに、子どもたちが作ったハートのオブジェが飾られる。

 息子はキンダーガーテン(日本でいう幼稚園年長)のバレンタインデーのときに、この日のいわれ(3世紀ごろ、兵士たちの戦意がそこなわれるとして若者の結婚を禁止していた当時のローマ皇帝の意に反し、ひそかに結婚をさせていたキリスト教徒 “バレンタイン” が、皇帝の怒りにふれ、のちに処刑されたのが2月14日。その後、愛するものへの感謝の日となる)を、担任の先生から教えてもらっていた。

 バレンタインデー当日には毎年、父母手作りのカップケーキやチョコレート、ちょっとした小物のプレゼント用品などを1ドルほどで販売するPTA主催のブティックが学校で開かれる。

 子どもたちは休み時間に特設ブティックにやってきて、クリスマスのときと同じように、親、祖父母、親戚の人々、クラスメートなど、いろんな人へのプレゼントを買っていく。

 バレンタインデーの前の週の金曜日には、生徒会主催の体育館でのダンスパーティーも毎年開かれる。

 PTA主催のブティックが低学年(キンダーから6年生《日本で言う幼稚園から小学校6年生》)対象なら、このダンスパーティーは高学年(7年生から12年生《日本で言う中学1年生から高校3年生》)が対象。

 夜7時から開かれるこのダンスパーティーには、学生たちの家族も参加し、親子で、夫婦で、恋人同士でダンスを楽しむのだ。

 ちょっと異性に興味を持ち始めた年頃の、息子のクラス(小5)の女の子の中には、“バレンタインデーは異性に愛の告白をする日”との盛り上がりを見せる子もいたりするようだが(クラスの父母談)、先生も子どもも父母も、みんな愛するものへの感謝をこめたメッセージを添えて、チョコレートやケーキなどをプレゼントしあい、学校中で盛り上がるのを見ていると、あー、この国ではやっぱりバレンタインデーは、みんなの愛の日なのだなあと実感するのである。 

(次週に続く)

兵藤ゆき プロフィール

兵藤ゆき兵藤 ゆき(ひょうどう・ゆき)
 名古屋市出身。血液型O型。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークに。
 主な著書に「ぶんちんタマすだれ」「ゆき姐のニューヨーク裏うら散歩」「でこぼこなクラス写真〜子どもたちは黙っちゃいない〜」(いずれもワニブックス)、「ニューヨーク熱血井戸端会議」(集英社be文庫)などがある。

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