現在位置:asahi.com>教育>子育て>ゆき姐の子育て応援エッセー> 記事 コンサートの純(すみ)ちゃん2007年03月15日 純ちゃん(純ちゃんの夢(1)(2)参照)がソロ・バイオリニストとして出演する、クラシック・コンサート「VELIA INTERNATIONAL MUSIC FESTIVAL」に、家族で行ってきた。 会場はマンハッタンの57丁目と7番街の角にあるカーネギー・ホール。 1891年に建てられたというこのホールは、こけら落としに、かのチャイコフスキーが出演して以来、数々の名音楽家たちのコンサートが開かれ、音楽を志す世界中の人々が目指すひのき舞台として、長年君臨してきたホールといわれている。 そのカーネギー・ホールの大ホールで、とうとう純ちゃんは演奏するのだ。 マンハッタンに住む音楽仲間の彼女の友だち(アメリカ人で楽器コレクター)に、このコンサートに出演が決まったとき純ちゃんは相談したそうだ。 「出演するのはとてもうれしいんだけど、カーネギー・ホールで、それも大ホールで演奏するのに、私が持っているバイオリンではちょっと不安なんです」 それを聞いた友だちは、 「いいよ、ぼくのストラディバリウスを貸してあげるよ」 と、こともなげに言ってくれたのだそうだ。 1768年に作られたというそのストラディバリウスは、今では2億円もするという代物。 「うれしいけど、そんな高価なバイオリン、どうしようかと思いましたけど、友だちは、いいよいいよ、やっぱりストラディバリウスの音色はすばらしいからねえ、これ、使いなよ、って貸してくれたんです」 その友だちの好意を胸に、純ちゃんは練習に精を出し、いよいよ晴れ舞台の日を迎えたのだった。 ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル・オーケストラの指揮をとるのは、 Mr.MAMORU TAKAHARA、日本の方だ。 オーケストラの演奏は、二人のソロ・ピアニストを交えて始まった。 I Allegro II Andante III Rondo: Allegro 聞きなれたモーツァルトの曲だ。 1階から5階まで、すり鉢型にデザインされたカーネギー・ホールはさすがにすばらしく、オーケストラの生音が心地よく響き渡ってくる。 続いて、ピアニストの二人に代わって、メゾ・ソプラノ Maria の登場。 カルメンから " Habanera " などを熱唱。これもまた生声がよく響き渡り、すばらしい歌唱だった。 休憩をはさんで、とうとう純ちゃんの出番がやってきた。 私たちは上手側の2階のボックス席にいたので、ステージ下手奥でスタンバイしている純ちゃんが見えた。 自分が弾くわけではないのに、なんだかこっちがドキドキ。 さあ、黒のタキシードやドレスを着た三十数人のオーケストラの前に、赤いドレスを着て、手にはストラディバリウスを持った純ちゃん登場。 会場のお客さんから大きな拍手だ。 曲はM.BRUCH Violin Concerto No.1 G minor,Op.26 I Allegro Moderato II Adagio III Allegro energico いいなあー、純ちゃん、すばらしい。 ストラディバリウスの音がほんとに美しい、これも純ちゃんの腕がいいからだよね。 公演のあと、山口から駆けつけ、純ちゃんの晴れ舞台を見ていた両親も、「よくここまで来たね」と、すごく感動していたそうだ。 とうの純ちゃんは、 「カーネギー・ホールはほんとに響きが良くて、ストラディバリウスを弾いていてすごく気持ちよかったです。なんだかエキサイトしているのに、冷静で、まるで幽体離脱しているみたいでしたー」 と笑っていた。 本物の純ちゃんは小柄な人なのに、ステージではとても大きく見えた。 うちの息子は、「オーラが純ちゃんを大きく見せてたんだね」と言っていた。 ホント、私もそう思いました。 すばらしいステージをありがとう、そして大成功おめでとう、純ちゃん。 (次週に続く) 兵藤ゆき プロフィール
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