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その一言で救われる

2008年11月13日

  • 筆者 兵藤ゆき

 11月10日(月)、東京・市ヶ谷にあるアルカディア私学館で行われた、「東京都私立幼稚園PTA連合会」に行ってきた。

 会場には、東京都内の私立幼稚園に子どもが通っている父母や園長先生など、800人程が集まっていた。

 私は、午後1時30分から2時40分まで、「今私たちが子どもにできること」というタイトルで話をさせてもらった。

 会場に来ていた人たちはほとんどが女性、すなわちお母さんたちだった。

 お父さんたちももちろん来ていただいてもいい会だったのだが、平日の午後は難しいのはよくわかる。

 ちょっと残念、と思いながら、最初に会場の方たちのリサーチをさせてもらった。

 いつもこんなふうに話をしに行った場合、年代、子どもの有無(と人数)、孫の有無(と人数)、住んでいる場所など、会場にはどんな人たちが来ているのかリサーチさせてもらうことにしている。

 それと、私がいるところと会場の明かりもできるだけ同じ明るさにしてもらっている。 たぶん初めて会う人たちばかりだろうし、ひょっとしたらもう2度と会えない人たちかもしれないし、でも何かのご縁で、ここで会うことができたのだし、なるべくお互いを知り合えたらいいなあと思うからだ。

 今回の会場は、初めから双方が同じ明るさ、手を伸ばせばすぐにお互いハグできそうな距離で、なんだかお茶でもしながら話しているような感じだった。

 会場に来ていたお母さんたちは、幼稚園年少、年中、年長組の子どもたちがいる人たちで、年代は30代が圧倒的に多く、約8割だった。

 そして嬉しいことに、ほとんど全員の人が私もレギュラー出演していた、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!(以後、元テレと記す)」(1985年から1996年まで11年間ほど放送されていた日本テレビのバラエティー番組<日曜夜8時から9時>)を観ていたとのこと。

 お母さんたちは当時、中学生や高校生だったそうだ。

 番組では、「勇気を出して初めての告白」「元気のない運動部を応援します」「制服対抗・高校生ダンス甲子園」など、中高生を対象にした企画がたくさんあり、そんな意味でも彼女たちは「元テレ」、ドンピシャ世代。

 その中高生だった女の子たちがこうして立派にお母さんになり、今目の前にいる。

 「元テレ」が終わった年に私は息子を出産し、すぐにニューヨークに移住した。

 去年の夏に、家族で日本に完全帰国するまでほとんど芸能活動をしていなかったので、「元テレ」もつい最近までやっていたような錯覚をしてしまうときがあるが、こんなふうに当時の中高生がお母さんになっている姿を見ると、時は確実に流れたのだなあと実感させられる。

 そんな彼女たちに、まがりなりにも同じく母親をやらせてもらっている私が、母親になって実感した、「お母さんってものすごく大変な仕事なのに、あんまり褒めてもらえないよね。褒められたくてやっているわけではないけど、誰かに、子育ては大変でしょ、でも頑張ってるね、偉いね、ありがとうねって、ねぎらって褒めてもらえたら、いくら子育てで疲れていても、よーし、また頑張るぞー、ってなるのにね」と言ったら、みんな大きくうなずいていた。

 「特に、夫にそう言ってもらったら、どれだけうれしいか」

 と続けたら、そりゃもう大きくうなずいていた。

 こんな話のときに、やっぱりお父さんたちも会場に来てくれていたら良かったのになあとつくづく思うのである。

(次回に続く)

    ◇

〈編集部から〉兵藤ゆきさんが公式ブログ「子育ての話を聞かせてください―I‘m proud of you―」を開始しました。読者の方からのお便りも書き込めますので、どうぞご参加ください。もちろん、このエッセーに関するお便りもどうぞ。

兵藤ゆき プロフィール

兵藤ゆき

兵藤ゆき(ひょうどう・ゆき)

名古屋市出身。血液型O型。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークにで11年余り生活。2007年に日本に帰国。

主な著書に、「子どもがのびのび育つ理由」(2008年4月 マガジンハウス)(対談集)「頑張りのつぼ」(05年7月 角川書店)…ニューヨークで活躍する日本人8人の方との書き下ろし対談集(宮本亜門・千住博・宮本やこ・野村尚宏・平久保仲人・河崎克彦・高橋克明・小池良介)、(翻訳本)「こどもを守る101の方法」(06年7月 ビジネス社)などがある。公式ブログは、「子育ての話を聞かせてください―I‘m proud of you―」

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