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「あのコンテストがあったから、今の自分がいる」。東京工業大の卒業生、大久保和彦さん(28)は今、母校のカリキュラムに感謝する。
大久保さんが学んだ制御システム工学科では、2年生になると1人1台、設計から組み立てまで自力でロボットを造り、7月に試合形式のコンテストで披露する。上位入賞者は国際大会に出場できるとあって、他学科の学生も競って参加する人気行事だ。
大久保さんは96年のコンテストで3位に入賞し、ドイツでの国際大会に出場。そこで出会った世界各国の学生たちの強い起業志向に刺激を受けた。00年3月、大学院を休学して同世代の学生らとインターネットのシステム開発のベンチャー企業を起こした。
「ひとつのプロジェクトを最後までやり抜くことを、ロボット造りで学んだ」。大久保さんは振り返る。
学生の創造性を育てようと、同学科がコンテストを始めたのは90年。第1回は、学生によるロボットづくりで先んじていた米マサチューセッツ工科大(MIT)と合同で開いた。元々、同学科にはロボットをつくる講義があったが、グループで1台をつくっていた。コンテストをきっかけに、MITと同じ1人1台にした。「それが正解だった」とロボット製作を指導してきた清水優史教授は話す。
学生たちから他人任せの姿勢が消え、独創的なロボットが次々と生まれた。「中学、高校時代にコンテストのテレビ放送を見て『東工大でロボットをつくりたい』と入学してくる学生もいる」と清水教授は話した。
(05/03)
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