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トピックス

朝日新聞×河合塾 共同調査「ひらく 日本の大学」

東日本大震災の影響

震災後の取り組み 13%が講座新設、防災や地域テーマ

東日本大震災を受けて、13%の大学が、授業やコースを新設していた。ことに、大災害が起きた地域、予想される地域の大学にとっては、切実なテーマだ。

東北福祉大(宮城県)は、総合マネジメント学部に「災害マネジメントコース」を設けた。避難所の立ち上げや災害時の緊急支援コーディネーターなど、企業や自治体の中で防災のスペシャリストとして活躍できる人材の養成を目指すという。今年度の新入生には、被災した学生もいた。

復興論などの講義のほか、地域調査の授業もある。7月下旬の土曜には、学生6人が宮城県石巻市の復興仮設商店街を訪れた。

「最近のお客さんはどうですか」
「地元で被災した人は、仮設住宅に入って交通の便が悪くなった。県外、市外の人が来ないとやってけないねえ」

2人1組で仮設店舗を回って話を聞くほか、訪れている客からも、市外からの客か、誰と来たのかなど4項目を聞き取った。店舗数、店の種類なども継続的に調査する。

担当の岡正彦准教授は「震災がなかったらできてなかったコース。地元なので、何度も足を運べる。地域の人が何を望んでいるのかなどをきちんと聞き、ネットワークを作って連携したい」と話す。

静岡大では、2011年度から「防災マイスター称号制度」をスタートした。東海地震が想定されている地域の企業や教育現場などに、防災知識を持ち、現場でリーダーになれる人材を送り出すことが目的だ。

指定された授業を履修し、必修7単位、選択5単位の計12単位を取ったうえでリポートを提出すれば取得できる。昨年度は3人がこの称号を得た。今年度は、約80人が取得を目指している。

必修の「学校におけるリスク管理」を11年度から新設したほか、元々あった「自然災害学」「放射線管理実習」などの授業を体系化した。必修科目には、学外での防災講座などを複数受けることで1単位とする「防災科学実習」も。担当する村越真教授は「大学の中だけではなく、学生が地域とつながることが大事」と話す。

7月末の土曜に、県地震防災センターで救急介護の講座を受けた教育学部4年の武藤裕子さん(23)は「教師を目指しているので、避難誘導などの防災知識を身につけたい」と話した。

ボランティア活動に単位を認める学部は全体の3割

2011年3月11日の東日本大震災は大学の教育・研究活動にも影響を与えた。

ボランティア活動には、23%の学部では震災以前から、7%の学部では震災以降単位として認められている。

ボランティア活動に単位を認めているか

8%の学部で震災に関連した新しい授業を設置

東日本大震災に関連した授業やコース、プログラムは8%の学部で開設されている。特に東北地区ではその比率が高く26%の学部で授業等の新設がある。新設された科目としては「ボランティア学」「復興学」などが多いが、学部の専門研究を生かして震災にアプローチするものや、従来からあった科目群を体系化してコース認定したもの、複数講師リレー方式の全学共通特別講座などもある。

震災に関連したさまざまな研究が始動

東日本大震災に関連して、復興に向けた取り組みの研究、次の災害からより多くの命や暮らしを守るための研究など、多くの研究が始まっている。

データ一覧(単位として認めているボランティア活動)
データ一覧(東日本大震災に関連して新しく設置された授業等)
データ一覧(東日本大震災に関連する研究内容)