合格最低点を公表しているか否かは、ほぼ半々に分かれた<図表1>。ここでの「公表」とは、大学のホームページや大学案内等に掲載されていることを指す。
設置者別にみると、2011 年度調査と同様、国公立大での公表率が高い。一方、私立大では公表していない大学が過半数にのぼる。規模別にみると、私立大では定員規模1,000 人以上の大学では公表率は国公立大と同程度となっているが、1,000 人未満の大学では、公表していない割合が6割を超える。
学科試験の正解例を公表している大学は、一部実施も含め全体の43%を占める。設置者別にみると、合格最低点とは対照的に、私立大で公表率が高い<図表2>。

入試種別ごとの入学者数は、一部学部・学科のみの公表を含めると全体の7割近くの大学が公表している。設置者によって大きく差が出ており、国公立大では大半の大学が実施しているのに対し、私立大では6割弱に留まる<図表3>。
なお、昨年と比較すると、私立大で変化が見られた。公表している大学は一部学部・学科のみの公表を含め、昨年の50% から58%へと1割近く増えている。昨年4月の大学の教育情報の公表義務化が呼び水となり、入学者数の公表に踏み切る大学が増えたようだ。
本人への得点開示も設置者別に大きな差がある。国公立大では9割以上が実施しているのに対し、私立大では半数以下にとどまる<図表4>。なお、得点開示は「不合格者のみ」、「開示請求があった場合のみ」など制限つき公表としている大学も多くみられた。
2012 年度の入学者選抜の状況(募集人員・志願者数・合格者数・入学者数)を聞いた。
選抜方法別の入学者の内訳をみると、国公立大と私立大とで状況が大きく異なっている<図表5>。
| 一般入試 | 推薦入試 | 内部進学 | AO入試 | 留学生入試 | その他 | |
| 国立大 | 82% | 13% | 0% | 3% | 1% | 1% |
| 公立大 | 74% | 22% | 0% | 2% | 1% | 1% |
| 私立大 | 48% | 32% | 6% | 10% | 2% | 2% |
国公立大では、募集人員・入学者数とも国立大では8割以上、公立大では7割以上が一般入試による選抜である。一方、近年志願者の増加が続いているAO入試については、募集人員のごく一部に留まっている。
私立大では、実際に一般入試で入学した学生の割合は48% と半数を割っている。一般入試での入学者の割合が3割以下の大学は142 大学にのぼり、私立大の3分の1 以上を占めた。一方、推薦入試・内部進学・AO入試での入学者の割合は計48%と一般入試と同じ割合になっている。

<図表6>は合格者が入学する割合(歩留り率)をみたものである。
一般入試では、国立大91%、公立大75%に対し、私立大では大学入試センター試験を利用した方式(以下、センター方式)を除く一般入試が35%、センター方式が15% と大きく差が開いた。センター方式は大学個別の試験を課されずに合否を判定されることが多い。大学が問題作成をしないことから一般入試と比べて受験料も安く、センター試験受験者にとっては出願しやすい入試方式である。そのため、併願校の受験に利用されることが多いため、歩留り率が低い状況にあるのだろう。また、私立大では入学定員の多い大学の方が歩留り率が低い傾向にあるのも特徴である。
推薦入試においても、国公立大では専願制を敷いているためほぼ100%に近い数値となっているが、私立大では一部で併願可能な大学もあるため80%に留まっている。
<図表7>は選抜方法別に2012 年度入試の競争倍率(志願者数÷合格者数)をみたものである。
全体では国立大が3.8 倍、公立大が4.1 倍と国公立大は4倍前後であるのに対し、私立大は2.9 倍とやや低い。選抜方法別にみても同様の傾向を示している。特にAO入試では国公立大と私立大で倍率の差が大きく開いている。国立大が3.4 倍、公立大が3.6 倍と一般入試並みであるのに対し、私立大では1倍台となっている。
また、私立大ではセンター方式を除いた一般入試が3.6倍であるのに対し、センター方式が2.9 倍となった。センター方式は、かつて実施大学数が少ない頃は、一般入試と比べて募集人員の少ない大学が多く高倍率入試となる場合が多かったが、近年は実施大学数も増え、歩留り率の低さから合格者を多く出す大学が多く、倍率も低下してきたと推測される。