2008年4月に入学した学生のうち、12年3月までの4年間のうちに退学した学生は4万2256人。「退学率」は7・7%で、昨年の調査とほぼ同じだった。ただ、退学者数を回答していない大学もあるため、実際の退学率はこれよりも高いとみられる。
設置者別では、国立が3・2%、公立4・2%、私立8・9%で、私立が高い傾向になっている。規模別では、1学年の定員3千人以上の大規模大が6・5%、千人以上3千人未満が7・4%、300人以上千人未満が9・5%、300人未満が8・4%だった。
系統別にみると、教育学部が2・1%で最も低く、医、農、歯の各学部も4〜5%台で低かった。一方で、「総合・環境・人間・情報」が9%台、工学部や「経済・経営・商」なども8%台で高かった。
各大学はあの手この手で退学者を減らそうと取り組んでいる。桃山学院大(大阪府)は昨年11月から「24時間電話相談サービス」を導入。外部の業者に委託し、健康相談やメンタル面での悩みなどを受け付けている。利用は月に10件弱。担当者は「夜間や休日に相談したいという学生や、顔を合わせるよりも電話の方が話しやすいという学生もいるだろう。幅広く対応したい」と話している。
各大学が重視するのが1年生。早い段階で大学に慣れ、友だちを作ってもらおうと合宿を組む大学も増えてきている。城西大(埼玉県)経営学部は入学2日前に女子学生の情報交換会、1日前に出身県別の集いを開催。さらに5月下旬にキャンプを実施し、基礎ゼミごとにレクリエーションなどで親睦を深める。担当者は「学習意欲にもつながっている」と話す。
東海大(神奈川県)農学部では「あっそ〜?!」と銘打った学習支援ルームの取り組みを続ける。「あっそうか」という気づき、共に行う「アソシエイト」、キャンパスがある熊本・阿蘇にちなんで名付けられた。1年生を主な対象にきめ細かな学習指導や対話の場を設け、学生と大学のつながりを強めている。
また、多くの大学が保護者との連携を意識する。筑波大(茨城県)は昨年度から、学生の成績を年3回、保護者に送っている。平均単位修得数も記載し、自分の子どもの修学状況を共有してもらうのが狙いだ。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用を検討しているのは大東文化大(東京都)経済学部。授業のリポートなどをネット上で提出してもらい、評価や内容についてのやりとりをネットでできるようなシステムで、早ければ来年度から導入する。担当者は「教員が数百人単位の学生とそれぞれのリポートについて会って話すのは難しいが、SNSなら可能になる」と効果に期待する。

