「ひとり」になってもいい
作家・モデル、華恵(はなえ)さん
幼いころから、いつも本がそばにありました。米国人の父と日本人の母の間に生まれ、6歳で日本へ。急にまわりとの違いばかりが目立ってしまい、うまく友だちをつくれない時期がありました。でも、いつも助けてくれたのが本でした。
小3の終わりごろ、クラスの女の子とのちょっとしたけんかから、一時期ひとりぼっちになってしまいました。でも、本の中でも、「現実的」と思える強烈な出会いはあります。私が、ひとりになっても、はげまされたり、自分のことが前より見えてきたりしたのは、本の中でのそれがあったからです。
いじめは、中学生のいまも、みぢかに見聞きします。でも、読書でも楽器でも勉強でも、没頭(ぼっとう)できる何かがあれば、いじめることからも、いじめられることからも離れられるのではと思います。
友だちは大切ですが、ひとりの時間も必要です。まわりを冷静に見たり、自分の考えを深めたりできるから。いまいじめられている子も「ひとりになれるチャンス」と思って、読書でも趣味でも何でもいいから、自分の世界を見つけるのもひとつの方法じゃないかな、と思います。
いつも「みんな」と一緒じゃなくてもいい。「友だちをつくろう」と必死になっていると空回りしてしまうし、自分が見えなくなってしまいます。私も、たとえば読書のように、好きなことに熱中し始めると、不思議と「私もそれ読んでる」と話しかけられたり、自分に合う友だちが増えてきたりしました。
「ひとり」になってもいいと思う。それは、自分の好きなものを見つけたり、新しいものと出会えたりするチャンスなのです。
(朝日新聞2006年11月28日掲載)
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