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いじめられている君へ

無理に変わらなくていい

シンガー・ソングライター、川嶋あいさん

川嶋あいさん
 歌手を目指して福岡県から一人、東京へやって来ると同時に高校に入学しました。芸能コースで有名な私立で、同級生はすでに芸能界入りしている子や、おしゃれな子ばかり。自分がとても浮き上がって感じました。

 自分ではあたりまえだった福岡の方言に、まわりは「変だよね」「面白い」と言います。言われたほうは、面白いはずなんてないんです。毎晩(まいばん)、故郷の母に電話して、「気にせんときぃ」と慰(なぐさ)められていました。

 〈絶望のとなりにはいつでも/希望がいたりするでしょう〉

 「天使たちのメロディー」という歌は、当時の孤独(こどく)な思いから何とか立ち上がりたいとの気持ちを込めてつくりました。

 なじむまで1年かかりました。渋谷の街での路上(ろじょう)ライブをくりかえすようになってから、自分から心を開いて話せるようになりました。

 心から打ち込めることがあれば、傷つけられても小さなことだと思えます。私の場合は歌でした。やりたいことが見つからない間は、なにもしなくたっていいんです。必ず、何かとめぐりあう時が来ますから。

 今も、自分に自信が持てずに人見知りをします。何でも自分から話せるような人がまぶしく見えます。そんな時、「お前はお前なんだからいいよ」と言われると、すごく助かります。無理に変わらなくていい。難しいけれど、自分のことを欠点ごと、自分で認めてあげられたら、少し楽になると思います。

 自信が持てない人ほど、誰かに相談するのは気が重いものです。でも本当に追いつめられた時は、絶対に相談して下さい。まわりの大人の人も、その様子にきっと気づいているはずです。

(朝日新聞2006年12月12日掲載)

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