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いじめている君へ

自分であやまる勇気もって

野球解説者・村田兆治さん

村田兆治さん
 私は全国の子どもたちに野球を教えています。キャッチボールをすると、とても速い球を投げる子もいるし、ゆるやかな球を投げる子もいる。でも速い球を投げる子の方が、よい選手とはかぎりません。

 速くても相手が受けられなくては意味がありません。よい選手は、自分の投げた球を相手が受け止められるかどうか、よくわかっています。

 言葉も一緒です。自分では、ふざけて言ったつもりでも、相手は傷ついてしまうことがある。力で組み伏せたり、たたいたりすればなおさらです。相手には、遊びとは受け止められません。

 自分の言葉や行動が、どんなふうに受け止められているか、相手の様子を注意してほしい。そして、これはひどいことをしたのだと気がついたら、すぐ、あやまってほしい。それが勇気です。

 たくさんの子どもたちに接してきて、私の育ったころとは、ずいぶん違ってきているなと感じています。相手の気持ちをあまり考えなくなってきている。それから、あやまらなくなってきているようです。残念です。

 私が子どものころは、いろんな年の子どもが一緒に遊んだので悪いことをすると上級生が間に入って止めてくれた。いまは年が違うと一緒に遊ばない。自分がひどいことをしても、それに気づかせてくれる友だちが少ないのかもしれません。

 だから、自分の力で気づくようになってほしい。自分の意思であやまることができるようになってほしいのです。野球は一人ではできない。仲間のことを理解しあって、力をあわせなければ、けっして勝つことはできません。元気に笑顔で遊べるよう、本当の勇気をもってください。

(朝日新聞2006年12月1日掲載)

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