給与は上がらず、預金利息もごくわずかの今日、世の中お金がすべてと投資をあおるような広告も目につきます。
子どもの世界では、ゲーム機やケータイなど高額商品を所有する比率は高く、親も子どもには何でも買い与えてしまう風潮があるのではないでしょうか。
金融広報中央委員会の調査(06年)によれば、小学校低学年の子どもにたずねたところ、約7割が「お金より大事なものがある」と答えました。一方で、「お金をたくさんためたいと思うか」の問いには、7割を超える子どもが「そう思う」と答えています。
子どもにとって、お金はとても魅力的なものです。何でも買えて夢がかなう魔法のツールのように映りますが、子どもが手にするお金は、親の勤労によって得た対価の一部なのです。
大人の世界でも、ICカードやネット決済などの急速な普及で、現実のお金の動きが見えにくくなっています。
行き過ぎた消費社会は大量のゴミを排出して環境問題を深刻化させています。世界各地では多くの難民が経済的に厳しい生活を強いられています。こんな現実を前に、お金の価値や使い道を子どもと共に考えてみることは意味のあることではないでしょうか。
次回から、お金について親子で対話する材料を提供したいと考えています。
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にしむら・たかお 横浜国立大学教授(消費者教育・金融教育)。著書に「子どものおこづかい練習帳」「イラスト版お金のしごと」など。