「妊娠したと言うと、『大丈夫なんですか』としか言われない。誰も『おめでとう』と言ってくれない」。ある母親学級で、45歳の妊婦が泣きながら訴えました。
周りの過大な心配は、配慮としては伝わらず、ときとして「あなたには無理」というメッセージになってしまいます。難産予備軍とでもみなした言葉かけや視線こそ、妊婦の血中ストレス濃度をあげ、母子を不健康にするのです。
日本では35歳以上の出産を高齢出産と呼びます。92年までは30歳以上が高齢出産でした。
現在、日本人女性の平均初産年齢は29.4歳。35歳になった途端、全例をハイリスク群のようにみなす扱いには根拠がありません。ちなみに海外ではお産を一定の年齢で区別せず、「高齢出産」という言葉自体もないのです。
何歳の妊娠であろうと、体調の個人差は大きいものです。合併症の恐れや持病がある場合など、医療の介入が必要なお産は全体の約2割と言われます。古今東西、リスクのないお産などありません。
そもそも、妊娠は母体の健康度が高い時に成立します。新しいいのちの始まりは、生命力が高い母子に起きるのです。
「おめでとう。今のあなたから生まれてきたいいのちなのね」。妊婦はその言葉を待っています。新しいまなざしと、心からの祝福が、少子化社会を救うのです。
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おおば・ななこ 97年に妊娠や出産の準備教室を開講し、05年に日本誕生学協会を設立。いのちについての学びを広める活動を展開中。2男3女の母。
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