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「す、すばらしい!」我が家に電動ゆりかごが

2008年4月7日

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 1月のある朝、目覚めると両手の指がこわばって動かない。腕全体にも痛みが走る。生後2カ月を前にして、腱鞘炎にかかってしまった。

 思い当たる理由がいくつかあった。まず、おっぱいのあげ方。空気が入らないように飲ませようと、ちぃちぃを寝かせて、私が片腕をついて、上から覆いかぶさるようにしてあげていた。片腕に自分の体重がかかるので、しまいには、いつも腕がしびれて痛くなった。最大の理由はこれだろうから、おっぱいのあげ方を変えてみた。

 もうひとつの理由は、体重6キロ近い抱っこ星人のちぃちぃの要求に極力こたえてきたこと。とうとう、痛くてきちんと抱けなくなった。危なっかしいので、見かねた夫が、深夜に泣き出した時や朝方の抱っこを代わってくれた。

 これは一大事だ。抱っこができなければ、ちぃちぃの世話をきちんとできない。知恵を絞った。腕にあまり負担をかけずに抱っこする方法を考えた。2人の女の子を育てている高校時代の友人が推奨していた、抱っこひものことを思い出した。

 調べてみると、首のすわっていない赤ちゃんでも大丈夫らしい。脱着も簡単で、使いやすそうだ。母を呼んで子守をしてもらっている間に、タクシーを飛ばして買いに走った。使ってみると悪くない。最初はちぃちぃも慣れずにいやがったが、次第に気に入り、抱っこひもをつけるとすぐに眠るようになった。

 だが、今度は腕で支えない分、腰と肩がこたえる。腕で支えて立てないので、布団でオムツ替えをした後、脚力だけで立ち上がっていたら、ひざもおかしくなってきた。まさに、満身創痍! 鍼灸師の友人が見舞ってくれ、腕に置き針をしてくれた。寝る前には、そのそばにおきゅうもしてみる。1週間置き針をしていたら、手首の痛み以外はずいぶんよくなった。

 とはいえ、ずっと抱っこしているのは無理だった。親類からもらったゆりかごに入れてみた。でも、足で揺らし続けないと、すぐに機嫌が悪くなって泣き出してしまう。むむっ。そんなとき、大学時代の友人が赤ちゃんを電動ゆりかごに入れていたことを思い出した。高額で買うのはもったいないので、3カ月間レンタルすることにした。業者を探して問い合わせると、すべて貸し出し中とのこと。20人待ちだという。同じことで困っている人はたくさんいるんだなあ、とびっくりした。

 10日ほどして、待望の電動ゆりかごが届いた。ところが、段ボールから取り出してみると大ショック! 車輪が一つもげているではないか。あわてて業者に問い合わせたが、すぐに交換はできないとのことで、また数日待ちになってしまった。その間、どうしたものか。夫がもげた車輪の下に雑誌を敷いてみたらどうか、という。なるほど! 何冊か重ねてみると、ちょうどいい高さになり、多少がたつくものの、大丈夫そうだ。

 果たしてちぃちぃは電動ゆりかごを気に入ってくれるのか? 人の腕の揺れとは違うだろうから、だまされてはくれないかもしれない。ドキドキしながら、寝かせてスイッチを入れた。すると、たちまち眠ってしまった。す、すばらしい! しかも、モーツァルトなどのBGM付き。ちぃちぃは揺られながら、オルゴールのメロディーで何度も名曲を聴くこととなった。

 電動ゆりかごは1回のスイッチで15分間動く。入れっぱなしはいけないということなのだろう。私も極力抱っこで頑張り、どうしてもというときに、電動ゆりかごに頼ることにした。おかげで、家事がはかどるようになり、座って食事もとれるようになった。15分たつと止まってしまうので、あわててスイッチを入れ直す。すると、もう15分、心安らかに食事を楽しめた。

 ついつい、1時間近く揺らし続けてしまうこともあった。しかし、敵もさる者。ちぃちぃも次第に電動ゆりかごの正体が分かってきたようで、最近では機嫌のいい午前中以外はお気に召さなくなってしまった。同時に、腱鞘炎も復活してきた。さあ、困った。これ以上名案も浮かばず、だましだまし両腕を使っている。

    ◇

〈編集部から〉次回から隔週の更新となります。あらかじめご了承願います。 

プロフィール

女性記者プロフィール(07年10月15日から)

1995年朝日新聞入社、34歳。前橋、福島総局、東京・名古屋本社学芸部などを経て、04年9月から東京本社文化グループに在籍。現在、第一子を出産し育休中。

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