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花粉症対策は、おっぱいのために

2008年5月26日

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 花粉症にかかって10年以上になる。スギとヒノキのアレルギーなので、せっかくの春もつらい季節となってしまった。1年の3分の1も、悶々と過ごさなくてはならないなんて! 出産すると、体質が変わることもあると聞いていたので、期待していた。が、私の場合、より敏感になってしまったようだ。1月に入ってから、鼻がムズムズする。いつもは薬を飲んで、症状を抑えていた。

 ところが、今年は授乳中なのでそうはいかない。昨年の妊娠中もどうなることかと思ったが、幸い花粉のピークにあたる3月後半は出張で海外にいたため、花粉を浴びる総量が少なかったのか、耳鼻科に頻繁に通ってしのぐことができた。でも、今年はちぃちぃがいるので、耳鼻科通いもままならない。

 どうしよう。私の体調が悪くなると、おっぱいにも響く。ない知恵を絞って考えた。かつて、会社の同僚が花粉症の症状をやわらげるために鼻の粘膜をレーザーで焼く治療をしていたことを思い出した。これだ!

 痛そうだが、薬を飲まなくて済む。自宅近くの総合病院に行くと、そこはレーザー治療ではなく、酸で鼻の粘膜を焼く化学療法をしていた。たくさん花粉が飛び始める前の2月に2回、粘膜を焼いた。どのくらい痛いのかと不安になったが、麻酔を浸したガーゼを鼻腔につっこむので、それほど痛いと思わなかった。

 医師からは、「鼻はムズムズしにくくても、目とのどはこの治療では効きませんからね」と言われた。そりゃそうだ。結局、花粉を浴びないようにするしかない。あまり外出しないようにした。必要に駆られて出かける時は、帽子をかぶり、マスクをした。外着と室内着は、きっちり分けた。環境省が毎時間発表している地域別花粉飛散状況をパソコンでチェックし、飛んでいる量が少ない時間帯を選んで出かけた。これを毎日何度も調べるのがすっかり日課となった。ごみ捨てだろうと、一度外出したら、まず洗面所に直行。必ずうがい手洗いをし、シャワーで洗髪もする。

 夫にも同じように協力してもらった。どんなに遅くに帰宅しても、必ず浴室で洗髪をしてもらい、極力花粉を持ち込まないようにしてもらった。毎日のことなので、大変だったと思う。部屋の換気も、主に空気清浄機を使い、パソコンとにらめっこしながら窓を開けた。

 それでも3月に入ると、未明にくしゃみと鼻水が止まらなくなった。1人起き出して、温かい蒸気が出てくる吸入器で鼻とのどを潤してなんとかしのいだ。せっかく、春めいてきたというのに、なんとうらめしい。暖かい日は時間帯を選んで、ちぃちぃのためにお散歩にでかけるようにした。雨の日は花粉が飛んでいないので、私にとってはうれしい日。特に雨が上がり、空気が湿っている時は最高のお散歩タイム。スカーフを頭にしっかりと巻き、めがねをかけ、鼻の穴にティッシュを詰め込み、さらに上から大きなマスクをし、ちぃちぃを抱っこひもに入れて、いそいそと出かける。

 端から見ると、不審者そのもの。せっかく、赤ちゃん連れで歩いても、公園で遠巻きに見られることはあっても、話しかけられることはなかった。それでもハイシーズンは出かけるのがきつくて、母が代わりにちぃちぃを外気浴させてくれた。花粉症とは無縁のママ友たちは、ランチやお茶を楽しんでいるらしい。でも、私の花粉症は、すぐにひどい鼻炎とのどの痛みへと進行するので、気をつけないと、おっぱいに影響してしまう。ちぃちぃの「歩く食糧庫」でもある私。あちこちお出かけは、もう少しの我慢と思うことにした。

 家族の協力のもと、努力の甲斐もあって、今年は1度症状が悪化して耳鼻科に通っただけで、なんとか花粉症をしのぐことができた。5月の連休も過ぎたころ、花粉も下火になり、楽しい季節がやってきた。ようやくマスクなしで外出できる。長い長い冬がようやく終わった気分だ。でも、1年の3分の1もの間、毎年、こんなふうに過ごすのはたまらない。毎晩、シャワーを浴びなければならなかった夫も同じ思いのようだ。来春の花粉シーズンは、ちぃちぃと一緒にどこかへ逃げ出したい気分だ。

プロフィール

女性記者プロフィール(07年10月15日から)

1995年朝日新聞入社、34歳。前橋、福島総局、東京・名古屋本社学芸部などを経て、04年9月から東京本社文化グループに在籍。現在、第一子を出産し育休中。

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