大分県の小学校教員の採用を巡る汚職事件で、佐伯市立蒲江小学校長、浅利幾美被告(52)=贈賄罪で起訴=から長男と長女の合格を依頼された県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)=収賄容疑で再逮捕=が県警に対し「長女については、上層部から合格させるよう指示され驚いた」と供述していることが分かった。県警は、県教委上層部が県議や県教委関係者らさまざまなルートから口利きを受けていたことや、江藤参事に複数の系統から不正採用の指示が出ていた実態を示す事例として関心を寄せている。
浅利被告は長女について、江藤参事とは別の人物にも口利きを依頼していたとみられる。江藤参事は、その人物について具体名は挙げていないが「県教委外部の有力者と上層部から聞いた」と話しているという。
浅利被告は08年度の小学校教員の採用試験で、江藤参事に長男と長女の合格を依頼。便宜を図ってもらった謝礼として07年8月と10月、現金など計400万円相当を渡したとして起訴された。
これについて、江藤参事は長男と長女の合格を依頼されたものの、2人とも合格させるのは難しいとして、長男に絞って合格させることにした。ところが、1次試験の終了後、上層部に全受験者のデータを見せたところ、上層部から合格させるよう指示された約20人の中に浅利被告の長女が含まれていたと話しているという。
江藤参事は「長女は合格ラインに達していたため、加点せずに合格した」と話しているが、「合格させるには1人200万円が相場」と聞いていた浅利被告は、結果的に長男と長女が合格したことから、江藤参事に計400万円相当を支払った。浅利被告は県警の調べに対し「長男がこれまで2回、採用試験に落ちた。長女も初めての試験だったので、2人を何とか合格させたかった」と供述しているという。