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カスタネット、みんな主役 異色合奏曲が小学生にヒット

「スペインのカスタネット」の練習をする小松小学校3年の児童たち。リズムを合わせようと真剣だ=兵庫県西宮市で
「スペインのカスタネット」の練習をする小松小学校3年の児童たち。リズムを合わせようと真剣だ=兵庫県西宮市で

 小学校の音楽会で決して主役になれず、後ろの方で音楽が苦手な子が黙々とたたいていた――。そんな地味な楽器カスタネットを見直す動きがある。カスタネットを主要パートにした小学生向けの合奏曲が誕生し、各地の小学校で人気を得ている。カスタネットを通じて、リズムを刻むという音楽の根源的な楽しさを、子どもたちが実感しているようだ。

 合奏曲は作曲家・中村彩子さん(27)が作った「スペインのカスタネット」。カスタネットが4パートあり、ピアノ、トライアングル、アコーディオンまたは鍵盤ハーモニカが合わせる。

 「カスタネットは、小学校で音楽が得意でない『残り組』の子どもが担当させられることが多かった。でも、この楽器が主役になれば、音楽が苦手な児童も活躍できると思った」と中村さん。

 長さ約3分、曲調はフラメンコ風で情熱的だ。カスタネットの4パートはリズムの追いかけっこをしたり、重なったりして立体的な響きを作る。後半へと盛り上がっていき、「オレ!」という掛け声で終わる。

 昨年3月に初演。音楽之友社の雑誌「教育音楽」の別冊付録に楽譜が掲載され、小学校教諭の間で口コミで知られるようになった。これまでに栃木、沖縄、大阪、兵庫の各地で小学校の音楽会などで演奏された。中村さんの元には電子メールで約50件を超える問い合わせが来た。

 兵庫県西宮市の小松小学校は20日の音楽会に向け、3年生が猛練習中だ。宮腰悠太君は「つまらない楽器と思っていたけど面白い。お母さんはうるさいと言うけど、うちでも練習している」と話す。

 他の子どもも「ドレミが無いから分かりやすい」「とてもノリノリの気分になれる」「かっこいい」などの感想でカスタネットの面白さを曲を通じて発見したようだ。

 3年生担任の大隈寿子教諭(53)は「音符が苦手な子でも楽しめる曲。音楽を好きな子が増えるとうれしい」と話す。

 那覇市の天妃小学校も昨年12月、那覇、浦添両市内の小学校が参加する音楽発表会で有志の5年生の出し物として演奏。同小に勤務していた佐久川周子教諭(48)は「子どもたちはカスタネットがすっかり気に入り、休み時間も遊ぶようになった」と振り返っている。 (11/13)


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