小泉首相は16日、教育基本法改正案をめぐる衆院本会議の質疑で、「愛国心」をめぐる規定について「教員は法令に基づく職務上の責務として児童生徒に対する指導を行っているもので、思想、良心の自由の侵害になるものではない」と述べ、職務として「愛国心」の指導を行うべきだという考えを示した。保坂展人氏(社民)らの質問に答えた。
「愛国心」規定については、教育現場での強制や評価につながるとの批判があるが、首相の発言は教職員が「良心の自由の侵害」を理由に愛国心の指導を拒むことができないとの認識を示したものだ。一方で、首相は児童生徒については「これまでも児童生徒の内心の自由にかかわって評価することを求めておらず、このことは本法案により変わるものではない」とも語った。
児童生徒が学習する内容を定めた文部科学省の学習指導要領(道徳)では「国を愛する心を持つ」という記述が盛り込まれている。首相は答弁の中で「これまでも学校教育において実際に指導が行われているが、その重要性から今回、法案に明記するものだ」と説明した。法制化されることにより、教職員の指導に対する強制の動きがより広がる可能性がある。
また、改正案が「宗教に関する一般的な教養は教育上尊重されなければならない」としている宗教教育について、首相は「宗教の役割を客観的に学ぶことは重要なことだ。国家神道を教育現場に復活させる意図はない」と強調した。