小学6年の国語の教科書(左)とボランティアが作成した拡大教科書(右)
文部科学省は、弱視の子どもたちのために図版や文字を大きくした「拡大教科書」の作成態勢を充実させる方針を決めた。作成は現在、約8割がボランティア頼み。教科書会社に発行を促し、より円滑な供給を目指すための検討会議を25日に発足させる。
法律上の位置づけは「検定教科書」ではないが、04年度から国が買い上げ、無償で供給している。06年度は634人に計1万1300冊を配った。しかし、小中の通常学級に通う弱視の子は05年度で1700人以上おり、十分行き渡っているとは言い難い。
拡大教科書は各校が使用している教科書に合わせて作成しなければならず、手間がかかると出版社が敬遠する傾向にある。06年度実績では教科書会社が約600冊(全体の約5%)、教科書会社から請け負った民間出版社が約1500冊(約14%)を作成したが、残りの約8割はボランティア団体が作り、手書きで作業している場合も多い。
文科省の検討会議には、教科書会社やボランティア団体、特別支援教育の関係者が加わる。教科書会社が作成しやすいよう、文字の大きさや色の濃さ、図表の拡大方法などの標準規格を決めるほか、ボランティアの作業がやりやすいように、デジタルデータの提供方法についても検討する。渡海文科相はすでに、教科書各社に積極的な取り組みを求める書簡を送っている。
拡大教科書をめぐっては、民主党が3月、国と教科書会社に発行や費用補助を義務付ける「教科書バリアフリー関連3法案」を参院に提出している。(中井大助)