大分県の小学校教員の採用試験をめぐる汚職事件を受け、全国の教育委員会のうち少なくとも14県で採用試験の過去の調査や改善を実施、または検討していることが16日、朝日新聞社の集計で分かった。来年度の試験が7月下旬から8月にかけてピークを迎える中、急きょ対応を迫られた。政府も、全国の教育委員会に実態調査を求めた。
不正の有無について調査を始めたのは、山形県教委だ。過去5年間の試験に携わった職員には14日までに事情を聴き、「不正があった」という申告はなかったという。得点の改ざんなどがなかったか得点表と判定資料も照らし合わせており、8月中に結果を公表する。対象の受験者は約9千人にのぼるという。
県教委に「山形でも不正があるのでは」「教員の子どもが教員になっているのが多い」といったメールや電話が寄せられた。担当者は「不正がないことの証明が少しでもできれば」と話す。
宮城県教委も16日、試験を共同実施している仙台市教委と、過去に不正がなかったか調査することを決めた。
結果の改ざんを防ぐため、採点の方法や試験の運用を急きょ変えるのは、熊本、佐賀の両県。
20日に試験を控えた熊本県教委は受験番号を伏せ、複数で採点し、最終集計結果と解答用紙も改めて照合する。同じく20日が試験の佐賀県では、県教委が担当していた試験結果のデータ管理を、県人事委員会に依頼する。秋田県教委は面接官への民間人登用を視野に入れる。
受験者に疑念を抱かれないよう、試験結果の開示を進める動きは、熊本、秋田も含む7県で出ている。
福岡県教委は、不合格者のうち希望者には、どの程度の成績で不合格になったのかを知らせる仕組みを設けている。「評価がやや低かった」「低かった」「かなり低かった」の3段階を、19日に始まる試験から、もう少し細かく知らせる方向で改める。
来年からは、得点も開示できないか検討している。
茨城県教委も、配点や合格に必要な最低点数を公表できないか検討に入った。これまで「A」(合格)、「C1」(合格まであと一歩)〜「C3」(合格まで遠い)といった概要のみを通知していた。
ただ、6日に1次試験は終わっており、「本格的な対策を実施するとしても来年以降になる」という。
このほか、群馬、埼玉、富山、高知の4県は何らかの対策・点検を検討するという。
一方、「不正な合格はない」という教委もある。
北海道教委や山梨、長野県教委でも合否結果を求めに応じて事前に教えていたことがわかったが、結果への影響は否定し、今後はやめることを表明した。
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町村官房長官は16日の記者会見で、採用試験の実態を調査して今月末をめどに文部科学省に報告するよう求めたことを明らかにした。
町村氏は大分県教委が不正採用が確認された教員を事実上解雇する方針を決めたことを「信頼回復のためには、そのくらい思い切ったことをやらなければならない」と評価した。