18日、全国各地の多くの小中学校で終業式があった。子どもたちにとっては心躍る夏休みの始まり。だが、教員採用をめぐる汚職事件で揺れる大分県は様子が違った。信頼の回復――先生たちに重い宿題が出されている。
「皆さんはアサガオという花を知っていますか」
同県佐伯市立蒲江小学校の終業式。17日に着任したばかりの岡松寛校長(53)は子どもたちにこう呼びかけた。
「アサガオは夜を知っているから、朝に明るく咲くことができる。蒲江小は今日、新しい朝を迎えたのです」
長男と長女の採用をめぐる贈賄罪で起訴され、懲戒免職となった前校長、浅利幾美被告(52)の逮捕からの約1カ月。その間を暗い夜にたとえた訴えに、子どもたちから拍手が起きた。
岡松校長は事件を機に、100キロ以上離れた小学校の教頭から突然、転任してきた。「青天のへきれきだったが、子どもに寄り添い、喜びも悲しみも一緒に背負って歩いていきたい」と話す。
一方、浅利被告の長男が勤務する大分市内の小学校。長男はこの日も担任する子どもたちに元気に接していたという。被告の逮捕後、校長は長男に言い続けた。「親のことは気になるだろうが、いまは目の前の子どもたちのことをきちんとやってくれ」。長男は保護者にも人気があり、事件の発覚後も休むことはなかった。校長は苦しい胸の内を明かした。
「臨時講師で苦労した経験もある教員。本人は気丈に職務を果たしており、複雑な気持ちだ」