岡谷工業高(長野県岡谷市)で生徒間の暴力行為を撮影したと見られる動画が、インターネットの投稿サイトに掲載された件で、平林真校長が1日会見し、その後の調査結果などを公表した。投稿後、関係した生徒の個人情報が流れるなどし、投稿した生徒自身も精神的なショックを受けたという。平林校長は「改めてネットの恐ろしさを痛感した」と話した。
投稿発覚は11月2日。同校によると、投稿した生徒は、ネット投稿直後に大きな反応があったため、20分後に削除。しかし、コピーされた動画が再掲載された。学校側もサイト管理者に削除を要請したが、出回るのを防ぐことができなかった。その後、人権侵害にあたるような、関係生徒のプライバシーに関わる情報も掲載されたという。
同校の調査に対し、関係した生徒らは暴力行為やネットへの投稿の事実は認めた。しかし、いじめではなく、人間関係を巡るトラブルを解決しようとした中での暴力行為だったという。
関係した生徒はいずれも反省し、先週末から教室に戻った。しかし、投稿した生徒を中心に精神的なダメージもあり、今後、カウンセリングなどのケアに取り組むという。
同校は先月末、経過を文書にまとめて保護者に発送。今後、情報モラルの指導に力を入れる。年内に全校生徒を対象にインターネットの正しい利用のため、ネットリテラシーについて専門家の話を聞く機会を設けるという。
平林校長は「今回ネットにさらされた個人情報について、学校の対応がさらにネットでさらされることが予想され、肯定、否定を含め情報発信を控えてきた」と説明。さらに「投稿者本人も、こんなことになるとは想像していなかった。改めてネットの扱いを間違えると恐ろしいことを痛感している」と語った。(山田新)
●情報モラル教育呼びかけ
岡谷工の動画投稿問題を受けて、長野県教委は先月22日、高校の生徒指導担当者を集めた臨時の研修会を開き、情報モラル教育などに緊急に取り組むよう呼びかけた。
児童・生徒を対象にした昨年の県教委の調査では、中学3年生の20.3%、高校1年生の97.4%が自分専用の携帯を所持。よく使う機能(複数回答)は中・高校生とも80%以上が「メール」を挙げ、高校生ではブログやプロフを使った「情報収集」(49.8%)「情報発信」(27.8%)も目立った。
県教委心の支援室によると、各校ではこれまでも、ネットに関係した事件などを題材に、携帯やインターネット利用についての指導に努めてきた。フィルタリング機能を使う高校生が増えるなど効果も見られるという。
一方、次々に登場する新しいサービスや仕組みについては生徒の方が詳しく、教師も指導に苦慮している。県内では昨年、人権にかかわる動画の投稿などについての報告が複数あったという。
小林善一室長は「子どもが被害者や加害者にならないよう、学校向けのメールマガジンなどで最新の情報を提供したい」と話している。(佐藤美千代)