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2012年1月28日11時6分

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異文化理解の力に 福岡市の中学で外国人助手常駐化

写真:生徒を指導するマジェスキさん=福岡市西区内浜1丁目の内浜中学校拡大生徒を指導するマジェスキさん=福岡市西区内浜1丁目の内浜中学校

 福岡市教委が市立中学校を対象に英語を母国語とするアシスタント「ネイティブスピーカー」の常駐化を進めている。全69校のうち常駐校は昨年度の3校から今年度は43校と大幅に増えた。授業の現状を知ろうと配置重点校の一つ、同市西区内浜1丁目の内浜中学校を訪ねた。

 1年生の英語の授業。カナダ出身のジェイソン・マジェスキさん(39)と生徒の会話はすべて英語だ。この日は冬休み明け最初の授業で、マジェスキさんはカナダで過ごしたクリスマスの様子などを紹介した。海外の文化を教えるのも授業のプログラムだ。家族と一緒に帰省した様子を写真で示すと、一人の生徒から質問が出た。「えーと……娘さんはいくつ?」。マジェスキさんが「ハウ・オールド・イズ・シー?(彼女は何歳ですか)」と聞き方をアドバイスした。

 教科担任の山口稔教諭は「英語だけにこだわらず、とにかく会話してほしい」と生徒同士やマジェスキさんがまずはやり取りをすることを重視している。生徒たちは、みんなで話し合いながら進行していく授業を楽しんでいるようだ。嶋田基弘君(13)は「前よりみんなと心が通じ合っている感じがする」。

 昨年までも同様の授業はあったが、複数の中学を掛け持ちし、授業にあわせて訪れていた。今年からは多くの中学に常駐しているので授業以外の時間にも生徒たちと触れ合っている。

 内浜中では、給食の時間に1日ずつマジェスキさんが各クラスの教室を訪れ、昼食を一緒に食べている。会話はもちろん英語だ。

 生徒が遠い存在と思いがちな外国人に親しみを持ってもらうのも狙いの一つ。運動会といった学校行事に参加するなど、これまで以上に活躍の場を得たマジェスキさんは、すっかり生徒たちの人気者になっている。接する機会が増えることで生徒が自然にマジェスキさんにあいさつするようになったという。「今までと違って、生徒が緊張せず話しかけている」と山口教諭は語る。

 市教委が常駐化で期待しているのは、単に英語を身につけてもらうだけでなく、言語や文化の異なる相手とも、積極的にコミュニケーションをとる力を養ってもらうことだ。学校指導課の深井隆弘係長は「外国人と関わることでコミュニケーション能力を高め、異文化理解のベースを作りたい」と狙いを話す。

 昨年11月、内浜中に「ネイティブスピーカー」約50人が集まり研修会が開かれ、この場で1年生300人が参加者にインタビューをする機会が設けられた。その後の生徒へのアンケートでは「不安だったけど楽しかった」「また来て欲しい」などの意見が並んだ。(滝沢文那)

    ◇

 〈ネイティブスピーカー〉 福岡市は1987年度から外国語指導助手(ALT)として外国人アシスタントを導入し、2010年度からは「ネイティブスピーカー」と呼んでいる。2004年度からは市の委託した業者が各学校にアシスタントを派遣し、年間1クラス25時間の授業を担当。掛け持ちもあわせて今年度は58人いる。文部科学省によると、生きた英語を学んでもらおうと英語を母国語とする人が授業に参加する取り組みは、各地で25年以上続いている。

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