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2012年11月23日14時56分

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校内暴力の検挙が増加 今年はすでに過去最多 群馬

グラフ:「校内暴力」での検挙・補導件数拡大「校内暴力」での検挙・補導件数

 【仲程雄平】「校内暴力」を学校が届け出て、県警が生徒を検挙・補導する件数が群馬県内で再び増えている。今年の件数はすでに1986年以降で最多だ。連携強化の結果でもあるが、そこには、子どもや保護者と教員との関係の変化も垣間見える。

 太田市の中学校で10月15日、校内で教諭に暴行したとして、中学3年男子(14)が暴行容疑で現行犯逮捕された。太田署などによると、少年は後輩とのトラブルを止めようとした男性教諭(46)の胸ぐらをつかみ、壁に押しつけるなどした疑いがある。暴れる少年を抑えきれず、学校は「これまでの行動も踏まえて110番通報した」という。

 同月24日には前橋市の中学校で中学3年男子(15)が、同月26日にはみなかみ町の中学校で中学3年男子(当時14歳)が、ともに窓ガラスを割ったとして器物損壊容疑で逮捕された。

 「学校で何とかしようというだけでは、立ちゆかなくなった」と太田市教委の担当者。家庭など複雑な要因が重なり、警察や児童相談所との連携が必要な例が多い。「善悪の区別を教えないといけない。けじめをつけ、振り返る一つの経過ととらえている」と話す。

 「学校が警察に届けるハードルが下がった」。こう話す県警捜査員は多い。県警少年課によると、昨年、学校が届け出て「校内暴力」を検挙・補導したのは15件15人。ピークの1980年代前半は下回るが、今年は10月末現在で19件20人とすでに昨年を超え、件数に限れば86年以降で最多となっている。

 教育指導の範囲を超えたと判断したら、警察への通報も辞さない。そんな学校が増えた。県警少年課の南雲広幸次席は「犯罪行為をしたら大変なことになると教えるためにも、積極的に届け出てほしい」と話す。

 一方で、教育現場への警察の介入には、批判的な意見があるのも確かだ。

 県教委義務教育課は昨年度から県警職員1人を「生徒指導担当係長」に受け入れた。それでも、県教委の担当者は「届け出は本当に危険な場合だけ。何でも届け出るのは教育の敗北を意味し、避けなければいけない」と強調。「ほとんどは良い子どもたち。保護者と手を取り合っていかないといけない」と話す。

 教員たちは悩む。前橋市の中学校などで30年以上の教諭経験がある男性(55)は「昔と今は事情が違う」と話す。校内暴力が社会問題化した80年代には、暴れる生徒を抑え込んで別室で話を聞き、部活への入部などを勧めることでうまくいくことも多かった。「当時から警察との連携はあったが、教育放棄のイメージがあって、ためらっていた」

 だが、最近はつかもうとしただけで「体罰か」と言う生徒も。保護者との信頼関係も薄くなった、と感じる。周囲の生徒への配慮を求める声も強まり、「学校だけでは手を打てないジレンマがある」と明かした。

■親と学校、相互理解を

 《新藤慶・群馬大学教育学部准教授(教育社会学)の話》 「学校で無理だから警察に」と、げたを預ける場所を変えるだけでは解決にならない。学校と保護者が普段から理解し合い、子どもの教育への共通認識を持つことが重要だ。学校側には、保護者が学校に直接関わって関係が築ける場をつくる努力が求められる。そうすることで、何か問題が起きた時、警察に届ける前に対応策が見いだせるのではないか。

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